世界で決算発表が続く中、今年の業績予想は悪化へ?

3分で読める！ストラテジストのグローバル市場展望

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前川将吾

足元では昨年10-12月期の決算発表が出ており、今週は米国のハイテク大手などの決算に注目です。総じてみれば日米企業の昨年10-12月期の業績は冴えませんが、中には「事前に懸念されたほど悪くなかった」と受け止められるものもあり、株価は底堅く推移しています。但し2023年を通してみれば、今はまだ底堅い業績予想がこれから下方修正されるリスクを警戒すべきでしょう。

まず、足元の今年の業績見通しを確認すると、【左図の紫色】は、世界株式ベースの今年の1株利益（EPS、アナリスト予想集計値）の伸びをみており、指数全体で若干の増益が見込まれています。またセクター別でみても、エネルギーや素材などを除く多くのセクターで増益が予想されています。

次に国別でも、例えば日米の今年のEPS成長率はともに5％程度のプラスの見込みとなっています（→詳細はGuide to the Markets 2023年1-3月期版8ページを参照）。但し、これらの増益見通しは、今後下方修正される可能性がある点に注意が必要です。【右図】を見ると、グローバル製造業PMIと世界株式のリビジョン・インデックス（アナリストによる業績予想の修正）は連動する傾向にあり、足元はPMIが弱く、リビジョン・インデックスも下方修正が多い傾向に転じていることがわかります。

今後も当面は世界景気は悪化する可能性があり、PMIの低下が意識されます。この点を踏まえれば、企業業績の見通しも景気に敏感なセクターや国・地域を中心に下方修正が続き、足元の増益見通しが減益見通しに転じるリスクがあるとみています。

Guide to the Markets 2023年1-3月期版16ページ

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