FRBの「大幅」利上げとECBの「早期」利上げ
金融引き締めへの警戒が続く
米国などで主要企業の1-3月期決算発表が本格化する中、投資家の関心はファンダメンタルズ一辺倒とはならず、引き続き金融政策を巡る懸念からリスクオフが生じています(→【補足】も参照)。
足元では、従来の想定を上回る、①米連邦準備理事会(FRB)の「大幅」利上げや②欧州中央銀行(ECB)の「早期」利上げが警戒されています。今年は金融市場が「金融引き締めを織り込んだ」かのように思われても、その安心感が短命に終わる展開が続いています。
①FRBの大幅利上げ
先週パウエルFRB議長は5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「0.5%の利上げを検討する」と述べました。しかし金融市場では、5月に止まらず、6月や7月、場合によっては9月も0.5%の大幅利上げに踏み切るとの見方が強まっています。また、セントルイス連銀のブラード総裁が通常の3倍の0.75%の利上げについて「基本シナリオではないが、排除しない」と発言したことも注目されました。
②ECBの早期利上げ
先週はデギンドス副総裁が、利上げの時期について「7月もあり得るし、9月以降もあり得る」との考えを示しました。こうしたECB高官の発言もあり、金融市場では早ければ7月に0.25%の利上げを実施し、9月の追加利上げでマイナス金利政策を解除するとの見方も強まりつつあります。
Guide to the Markets 2022年4-6月期版7ページ
【補足】FOMCを控えた「ブラックアウト」期間入り後の今週は、米ハイテク大手の決算発表に注目。
|