2022/04/20
市場の事前サインに注意!?
金利の動きから考える、これからの投資
最近、米国市場では「長短金利の逆転」が発生し、投資家の懸念材料となっています。
一般的な市場環境では、償還までの期間(=年限)が長いほど国債の利回り水準は高くなる傾向にあるため、長短金利の差(長期金利から短期金利を差し引いたもの)はプラスとなります。しかし、現在足元では米国10年国債利回りと比較し同2年国債利回りが大幅に上昇したことにより長短金利差が縮小しており、一時はマイナスになる「長短金利の逆転」が発生しました(下記グラフご参照)。
背景として、まず物価の動向が挙げられます。急激な物価上昇を抑え込もうとする米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げスタンスをめぐり、政策金利の動きに敏感である短期ゾーンの金利は大幅上昇しています。一方で、将来の見通しを示す長期金利は小幅上昇にとどまっているという状況にあり、長期金利が将来の景気後退を織り込んでいる可能性を示しています。
このように、「長短金利の逆転」は将来の景気後退を示す事前サインとされています。過去のデータから考えると、今すぐ景気後退に陥る可能性は低いものの、景気後退入りの時期は近づいているとも考えられます。足元の金利の動きから世界経済の先行きに不透明感が強まると判断するのであれば、分散投資の実践等を通じてより慎重な投資姿勢への切り替えなどを検討してみましょう。
グラフ:米国国債利回りの推移
期間:1985年1月2日~2022年4月8日
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