2023/03/07
景気後退は株式投資のチャンス!?
景気後退期の前後に見られた株価の下落局面
昨年(2022年)は、世界情勢や物価上昇の急激な進展などを受け、各国・地域の株式市場にとって全般的に厳しい一年となりました。今年に入り、景気指標が強弱入り混じる状況の中、景気後退の可能性への見方はまちまちの状態となっており、米国の株式市場も一進一退の状況が続いています。
もし、米国が景気後退期に突入するとすれば、今年は米国株式にとって厳しい環境になるとの見方もある一方で、長期投資の観点からは「景気後退は投資のチャンス」と捉えることもできます。景気後退期における株式投資との向き合い方について、改めて確認してみましょう。
まず、米国株式の長期推移を見てみると、長期的には大きく上昇してきた米国株式も、過去の景気後退期の前後には大きな下落局面がありました。つまり、景気後退期の有無によって株式市場の動向が大きく異なったことが分かります(グラフ①ご参照)。
グラフ① 米国株式の長期の推移 米ドルベース、配当無し

出所:ブルームバーグ 米国株式:S&P500指数 期間:1948年10月末~2023年1月末
景気後退期における株式投資への向き合い方
次に、「景気後退期に投資を始めた場合」と「景気拡大期に投資を始めた場合」のそれぞれについて、米国株式の投資結果を比べてみましょう。
先ほど確認した通り、過去の景気後退期の前後には株価の大きな下落局面がありました。そのため、比較的短期となる3ヵ月の投資期間の場合、「景気後退期に投資を始めた場合」の平均リターンはこの下落局面に含まれるサンプルが多く、「景気拡大期に投資を始めた場合」の平均リターンを下回る結果となりました。
一方で、6ヵ月以上の投資期間を見てみると、「景気後退期に投資を始めた場合」の投資開始時期の多くは株価下落局面に、投資終了時期の多くは景気後退期の後の株価上昇局面に該当していました。結果として、「景気後退期に投資を始めた場合」の平均リターンは「景気拡大期に投資を始めた場合」の平均リターンを上回りました(グラフ②ご参照)。
グラフ② 景気後退期/景気拡大期に投資を始めた場合の米国株式の平均リターン 米ドルベース、配当無し

出所:Guide to the Markets Japan | 1Q 2023(J.P.モルガン・アセット・マネジメント) 米国株式:S&P500指数、月次ベース。対象期間は第2次世界大戦後の1948年11月からの景気後退期以降。「米国の景気後退期に投資を開始した場合」は景気後退期の開始月から終了月までの各月初から投資をした場合を指し、その他は「米国の景気拡大期に投資を開始した場合」を指す。データは2022年12月31日時点で取得可能な最新のものを掲載。
他にも、景気後退期に投資を始めることの優位性を示すデータは存在しています。
投資は収益を獲得することもあれば損失が生じることもある、というのはよく知られた事実ですが、投資開始時期や投資期間によって“収益を獲得できる”、つまり“損失が生じない”確率にも影響が見られました。
過去の動向を分析してみると、6ヵ月以下の投資期間の場合、投資収益を獲得できた確率がより高いのは「景気拡大期に投資を始めた場合」となりました。
さらに1年以上の投資期間の場合を見てみると、「景気後退期に投資を始めた場合」の方がより高い確率で投資収益を獲得できたという結果になりました(グラフ③ご参照)。
過去の動向からは、短期投資を行うのであれば景気拡大期に投資を始める方が優位と考えられますが、中長期投資を想定するのであれば、景気後退期に投資を始める方が優位と考えられます。
グラフ③ 景気後退期/景気拡大期に投資を始めた場合の米国株式のリターンがプラスだった確率 米ドルベース、配当無し

出所:Guide to the Markets Japan | 1Q 2023(J.P.モルガン・アセット・マネジメント) 米国株式:S&P500指数、月次ベース。対象期間は第2次世界大戦後の1948年11月からの景気後退期以降。「米国の景気後退期に投資を開始した場合」は景気後退期の開始月から終了月までの各月初から投資をした場合を指し、その他は「米国の景気拡大期に投資を開始した場合」を指す。データは2022年12月31日時点で取得可能な最新のものを掲載。
以上をまとめると、長期的に大きく上昇してきた米国株式については、「景気後退期に投資を始めた場合」においても、中長期投資を実践することで、相対的に良好な収益を獲得できたという結果になりました。
目先の投資環境だけにとらわれず、さまざまな過去の事例などを参照することで、ご自身の目的に合った投資期間等に応じた冷静な投資判断ができるように心掛けましょう。
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