2022/02/21
相場変動時こそ『インカム』に着目
世界景気はまだ好調
2020年前半にコロナ・ショックで落ち込んだ経済は大きく回復してきました。新型コロナウイルス感染症の変異型「オミクロン株」が世界で流行し、それが経済に与える影響が懸念されていますが、世界景気のサイクルを表すグローバル製造業購買担当者景気指数(以下、グローバル製造業PMI)は、足元で好不況の分かれ目である50を大きく上回る水準にあり、まだ世界景気は好調とみられます(グラフ①)。
グラフ①:世界の景気動向~グローバル製造業PMI
期間:2000年1月~2022年1月
株式市場は今年に入り、上下に大きく動く展開
2020年半ばから2021年末にかけては、財政出動や金融緩和が支えとなって景気が回復する中、景気動向を示すグローバル製造業PMIも上昇してきました。過去も、グローバル製造業PMI上昇時は、債券や株式の中でも相対的に配当が高い高配当株式などよりも、一般的な株式のリターンが高くなる傾向にあり(グラフ②)、今回のこの期間に株式投資をしていた投資家は高いリターンを享受できたでしょう。
グラフ②:グローバル製造業PMIが上昇時の各資産のリターン(利息・配当を含む)
期間:1998年1月~2021年6月*1における月次リターンの平均値
一方、2022年に入ると、供給制限が生産活動に与える影響やインフレの加速による早期の利上げ観測などが株式市場の懸念材料となり、変動性の高い相場展開となっています。例えば、1月の米国株式(S&P500指数)の値動きとしては、1日で2%以上変動した日が取引日21日間のうち、9日間もありました。そのため、株式の投資家の中には一喜一憂している方もいるかもしれません。
変動性の高い相場環境での投資を考える
長期で投資を考えている方は、まだ景気が好調で企業業績も堅調であることから、これらが崩れない限りはこの変動を大きく心配する必要はないと考えます。
ただし、株式相場が大きく上下する環境が心配な方は、グローバル製造業PMIが50以上だが低下傾向になりつつある現在のような環境で相対的に堅調な実績のある『インカム系資産』、例えば企業が発行する社債や株式の中でも高配当株式などに着目して投資するのも1つの選択肢といえます(グラフ③)。
グラフ③:グローバル製造業PMIが50以上だが下落時の各資産のリターン(利息・配当を含む)
期間:1998年1月~2021年6月*1における月次リターンの平均値
『インカム』とは、債券の利息や株式の配当金など、一定期間ごとに受取ることのできる収益*2を指します。インカムによる収益は安定して積み上がっていくことが特徴ですので、価格変動が大きい市場環境では、そこがパフォーマンスの安定化に貢献します。
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