世界に投資リターンの機会をもとめて
米国株は依然としてリターンの重要な源泉ですが、投資家の間では投資機会を他の地域へ広げ、分散する必要性が意識されています。
2021年3月
2021年2月15日に日経平均株価が約30年半ぶりに終値で3万円をつけたことで、投資家からの株式投資への注目度が高まってきているようです。
一口に株式投資と言っても、国や地域、業種やスタイルなど様々なタイプが存在します。もし、長期的な資産形成としてじっくり腰を据えた投資を行うのであれば、アメリカ株式は有力な選択肢の一つになると考えられます。
その大きな理由の1つとして、先日の記事「アメリカ企業の成長の裏側:革新を生み出す力」でご紹介したように、アメリカ企業の株価が長期的に上昇してきたという実績が挙げられます。今回は、少し切り口を変えてアメリカ企業のもう一つの強みである“存在感”についてご紹介します。
それでは、世界の株式市場における“存在感”の大きさを示す指標の一つである株式時価総額の上位企業を見てみましょう。
1位のアップルをはじめ、3位マイクロソフト、4位アマゾン・ドット・コム、5位はGoogleを擁するアルファベットとアメリカのテクノロジー関連企業が上位を概ね独占していることが確認できます。
株式時価総額が大きいということは、それだけ「企業の価値が高いと株式市場から評価されている」ことの証になります。近年、テクノロジーが加速的に進化し、その中でも製品やサービスのイノベーション(革新)において中心的なプレイヤーである上記のアメリカ企業は、株式市場からの評価が高いとも言えます。
実は、アメリカ企業の評価の高さは、今に始まったことではありません。過去をさかのぼって、1995年末の世界の株式市場時価総額の上位5銘柄を見てみても、アメリカ企業が独占していたことが分かります。
当時の上位企業には、多角的経営企業で知られるゼネラル・エレクトリック、通信事業を展開するAT&T、石油メジャーのエクソンモービル、日本でもおなじみのコカ・コーラや医薬品大手のメルクなど今でも活躍するアメリカの代表的な企業が入っていました。グローバリゼーションの進展に伴い、業績を拡大させた企業が多かった点が特徴となっています。
ちなみに、同じ時点で世界の時価総額上位企業における日本企業のトップは、1995年末も2020年末もトヨタ自動車でした。ただ、順位は1995年末の6位から、2020年末の30位に下がってしまいました。これから日本企業の活躍にも期待したいところです。
このように、アメリカの企業は長きにわたって、様々な分野で革新的な製品やサービスを生み出し続けることで、企業価値を高めてきました。特定の企業や業種に偏ることなく、“存在感“の大きい企業が数多く見られます。
近年、イノベーションを生み出すスピードはますます加速しており、世界のイノベーションを牽引するアメリカ企業の活躍に今後ますます期待が高まりそうです。
米国株は依然としてリターンの重要な源泉ですが、投資家の間では投資機会を他の地域へ広げ、分散する必要性が意識されています。
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