世界に投資リターンの機会をもとめて
米国株は依然としてリターンの重要な源泉ですが、投資家の間では投資機会を他の地域へ広げ、分散する必要性が意識されています。
2021年3月
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展や、歴史的な規模となった米国の追加経済対策などを受けて、足元では米国の長期金利が上昇してきています。今回は、長期金利と株価の推移を振り返り、改めて長期的な観点で株式投資について考えてみましょう。
きちんと理解したい、金利上昇の背景
2021年2月下旬、米国10年国債の利回り(以下、長期金利)が急上昇したことに反応し、米国株式市場は一時的に変動の大きい相場展開となりました。長期金利の上昇によって相対的に株式の魅力が低下し、下落に転じるのではないかという懸念が高まったためです。
しかしここで着目すべきは、足元の金利上昇の背景にあると考えられる、世界的な景気回復への期待の高まりです。今後、景気回復による設備投資や消費の拡大が進めば、長期的には株式にとって追い風になると予想されます。
実際に、灰色で網掛けした長期金利の上昇局面では、緑色の折れ線グラフで示されている米国株式は上昇基調にあったことが確認できます(グラフ①)。
グラフ①:米国10年国債利回りと米国株式の推移
期間:1998年1月末~2021年2月末、月次ベース
株式のリターンは長期では安定する傾向
次に、期間別の投資成果を比較してみましょう。過去の投資成果から、株式は債券と比較して高いリターンが期待できますが、変動幅も大きい傾向にあります(グラフ②)。しかし長期的に保有することで変動幅は小さくなり、得られる投資成果は安定する傾向があったことが確認できます。
【ご参考】グラフ②:投資期間別のリターン
米ドルベース、トータルリターン(利息・配当を含む)、1985年から2020年まで
今回の株式市場の変動を受けて、動揺された投資家の方もいらっしゃったかもしれません。しかし資産形成に際しては、短期的な相場の変動に一喜一憂せず、長期の観点を忘れないことが重要です。長期的な投資を見据えるのであれば、株式への投資も有効な手段の1つであると考えます。
米国株は依然としてリターンの重要な源泉ですが、投資家の間では投資機会を他の地域へ広げ、分散する必要性が意識されています。
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