アクティブ運用とパッシブ運用の話
株式運用にはアクティブ運用とパッシブ運用があります。それぞれの違いを解説します。
2019年8月
前回のメッセージコラムは、私たちがどのような視点を持って、日々、市場の動きを見ているか、過去の事例を交えつつお伝えしました。私たちは、「循環(サイクル)」と「相対」という視点を持ちつつ、日々思考を巡らし、今後有望な投資テーマや銘柄の発掘に取り組んでいます。今回は、「循環」の視点から、今後の世界をどのように読み解いているのかをお伝えしたいと思います。
「2010年代はいったいどのような時代なのか」
過去数年にわたって、私たちはこの命題に取り組んできました。「循環」の視点からいうと、「資源関連(コモディティ)」が牽引する相場ではなく、「情報通信(IT)テクノロジー」が中心の相場になると考えられます。こうした発想や推測をベースに具体的な投資テーマへとつなげているのです。
一つのセクターに囚われない横断的な企業調査による投資テーマの発掘:情報通信テクノロジー編
私たち運用担当者は、企業取材などの情報収集を通じて投資テーマの有効性やタイミング、そして個別企業の選別に全力で取り組んでいます。運用担当者自身が一つの業種に縛られることなく、複数の業種にまたぎ能動的かつ積極的に調査を実施するので、製品や材料、ユーザーとの関係などについて関連性を持って情報をまとめることができます。
投資テーマに直接関係する銘柄のみに注目することが一般的ですが、私たちはこの体制の強みを活かすことで、直接関係する銘柄に限らず関連銘柄まで対象を広げて投資を検討します。例えば “IT” を例にあげると、IT分野だけに投資を行うことなく、ITを実際の形にする材料関連銘柄にも注目することが挙げられます。
例えば、「3D NAND(3次元NANDフラッシュメモリ)」も象徴的なテーマの一つです。最近では、AI(人工知能)やディープラーニング(深層学習)などIoT本格化* が産業構造に変革をもたらしつつありますが、私たちは「IoT社会の根幹として、データ収集を行うセンサーやデータを蓄積するメモリ、さらにそれらを生産する製造装置や材料が増加しつつある」という仮説を立て検証にあたりました。複数の業種を横断的に調査した結果、大きな成長を遂げる可能性があると判断した製造装置、材料メーカーなど関連企業群へ積極的に投資しています。
国策として注力している先進医療、i-Construction(建設とITの融合)や社会インフラ関連なども、同様の過程で選別している有望な投資テーマと見ています。引き続き、各ファンドの月報や当ホームページなどで私たちの考え方や投資テーマ、銘柄選別の背景などをご紹介してまいります。
結びにかえて:現在注目している投資テーマのご紹介
最後に、現在筆者個人が最も注目している投資テーマをご案内します。ずばり、「日本経済の復活サイクル入り」です。「循環(サイクル)」という視点に基づいて考えれば、よいことも悪いことも同じことは続かないし、長く大きな流れが続いた後には反転も長く大きくなるはずと考えています。
アベノミクスの開始から6年超。日本企業の収益体質の強化、雇用の安定や賃金の上昇、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善など、日本の株式市場の実力値は確実に向上してきていると見られます。1989年の日経平均株価の最高値以降、日本経済の長期低迷と株安が続きました。これが反転してきているとすれば、その行き着く先も期待できると希望を持っています。私たちが運用を行う投資信託とともに、今後の日本経済の動きにご注目いただければ嬉しく思います。
株式運用にはアクティブ運用とパッシブ運用があります。それぞれの違いを解説します。
日本企業の業績と日本株式市場の見通し、および今後のコーポレートガバナンスの進展について、運用担当者が動画で解説します。
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