本レポートのトピック
- 足元の米国中間選挙の情勢は?
- 中間選挙「前後」の投資アドバイスは?
- 中間選挙「後」に株式市場が堅調に推移する傾向がみられる理由は?
足元の米国中間選挙の情勢は?
以下図表の【左上】で現在の米国の議会構成を確認すると、トランプ米大統領(共和党)のもとで上下両院とも【赤色】の共和党が過半数の議席を確保しているため、「トリプルレッド1」の状態であることが分かります。しかし、今秋の中間選挙でこの組み合わせが変わる可能性があり、一部の市場では、中間選挙後は「下院は民主党、上院は共和党が多数派を占めるねじれ1」になることが見込まれています。
もっとも、歴史的には中間選挙後に「ねじれ」が生じることは珍しくありません。実際に以下図表の【左下】で第2次世界大戦後の中間選挙の結果を見ると、過去は20回中15回が「ねじれ」となっているため、仮に今回の選挙で「ねじれ」が発生したとしても、それはさほど例外的な出来事ではないという点はおさえておきたいところです。
中間選挙「前後」の投資アドバイスは?
一部の投資家は、「中間選挙“前”は不透明感が強いので株式投資を控えるべき」といった見方や、「中間選挙“後”に「ねじれ」が生じたら、トランプ政権の政策推進力が落ちるため株式を売るべき」といった考えを持っているようです。
しかし、以下図表の【右】で示している過去の中間選挙「前後」の米国株式のパフォーマンスを見ると、必ずしもこういった見方が正しいとは言い切れないでしょう。というのも、過去の中間選挙「前」(7月~10月)のS&P 500の平均リターンは+1.7%に止まり、同期間にプラスのリターンとなった割合も55%(→20回中11回)とパッとしない一方、中間選挙月「以降」(11月~翌年末)の平均リターンは+20.3%で、プラスになった割合も100%(→20回中20回、うち15回は選挙後に「ねじれ」状態)と良好な結果になっていたからです。
以上の歴史を踏まえれば、①仮に中間選挙後に「ねじれ」状態になっても株安を過度に懸念する必要はない、②過去に見られたような中間選挙月「以降」の長期上昇相場の再来を想定する場合は、中間選挙「前」に様子見するのではなく投資を始めておく必要がある、といった見方ができるかもしれません。
中間選挙「後」に株式市場が堅調に推移する傾向がみられる理由は?
一般的には、①選挙「前」に株式市場の重荷となっていた政治の不透明感が選挙「後」に晴れる、②大統領が残りの任期後半に向けて景気・市場に配慮しやすくなる、といった解説がよく聞かれます。
②に関して補足すると、「1期目の大統領」であれば次の大統領選の再選を意識した活動が期待されやすく、「2期目の大統領」の場合は再選のインセンティブこそないものの、自身のレガシー(政治的功績)の形成や自党の後継候補への支援を意識した政策を進めることが株価の堅調さに繋がるとの見方があります。ただし注意したいのは、このような解説や過去のデータは1つの参考になるものの、投資を考える上で最も注目すべきはやはりファンダメンタルズであり、今後もその時々の経済動向を定点観測することが欠かせないという点です。