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Guide to the Marketsで解説!金(ゴールド)や株式、債券など数多くの資産が下落した原油価格急騰局面で活躍した資産は?

本レポートのトピック

  • インフレヘッジにはエネルギー関連資産が有効?
  • エネルギー関連資産の弱みは?
  • 本格的な景気悪化時に助けてくれる低リスクの安全資産は?
  • 今後は「分散投資の分散」が重要?

インフレヘッジにはエネルギー関連資産が有効?

先日リリースしたレポートで指摘した通り、ロシア・ウクライナ戦争が起きた2022年は、金(ゴールド)を含めた幅広い資産が下落した厳しい年でした。一方で、2022年のロシア・ウクライナ戦争や今年のイラン戦争などが引き起こすエネルギー価格急騰時に助けてくれるのがエネルギー関連資産です。

例えば以下の図表の【左上】を見ると、【紺色】の原油価格と【オレンジ色】のS&P 500エネルギーセクターの相対リターン(S&P 500対比)は連動する傾向にあることが分かります。ちなみに、2022年のS&P 500エネルギーセクターの絶対リターン(トータルリターンベース)は+65%超もの大幅上昇となっており、イラン戦争が勃発した今年も1-3月期のリターンは約+38%と非常に堅調でした。

また、エネルギー株式は「原油価格急騰だけに対するヘッジ資産」というより、「インフレに対するヘッジ資産」としてより大きく捉えることも可能です。実際に【右】で米国のインフレ率(【灰色】)とエネルギー株式のリターン(【緑色】)の関係性を見ると、両者は概ね連動していることが分かります。

以上の点を踏まえれば、エネルギー関連資産は、地政学イベントなどによる物価高騰リスクに対するヘッジ資産として、「新時代」における分散投資先の有力候補の1つと言えるかもしれません。

 

エネルギー関連資産の弱みは?

ただし、エネルギー関連資産も「万能のヘッジ資産」ではありません。改めて【右】を見ると、エネルギー株式は米国の景気後退局面(【網掛け部分】)でマイナスのリターンになってしまっていたことが分かります。というのも、景気が本格的に悪化すると、エネルギー需要が落ち、エネルギー関連企業の業績も悪化する傾向があるためです。つまり、エネルギー関連資産はインフレヘッジとしては有能かもしれませんが、景気悪化に対しては耐性が弱い点には注意が必要です。

Guide to the Markets 2026年4-6月期版で解説『原油とエネルギー株式』

本格的な景気悪化時に助けてくれる低リスクの安全資産は?

以下の図表は、米国の景気後退期の債券のリターンについて見ています。【網掛け部分】で示している通り、米国は過去50年超の歴史の中で7回の景気後退を経験しましたが、その全ての景気後退期においてプラスのリターンを確保したのは米国債券(投資適格)でした。

ここで特筆すべき点は、第1次・第2次オイルショックによって生じた「10%超の大インフレを伴う景気後退期(=スタグフレーション期)」においても、【緑色】の米国債券(投資適格)のリターンはプラスになっていたということでしょう。当時の米連邦準備制度理事会(FRB)は、「大インフレを抑制するためには利上げが必要な一方、景気後退に対応するためには利下げが必要」というジレンマに悩まされていたと思われますが、結局は後者の利下げを選択し、米国債券(投資適格)は堅調に推移しました。

近い将来の米国の景気後退入りは我々の「メインシナリオ」ではないものの、地政学イベントやAIの脅威、プライベートクレジットのリスクなどの影響を受け、足元で景気後退確率が若干上昇していることを踏まえれば、米国債券(投資適格)は今後の景気悪化対策として有望な資産の1つと考えられます。

今後は「分散投資の分散」が重要?

上記で確認した通り、債券(投資適格)は景気悪化には強いですが、当然ながらリスクオン相場や金利上昇が続く局面では売られる傾向があるため、やはり金やエネルギー関連資産と同様に一長一短の特性があると言えます。

以上の材料および先日リリースしたレポートの内容をまとめると、我々が置かれている複雑な世界情勢下で地政学・インフレ・金利・景気などの様々なリスクに対応するためには、従来の「株式と債券の伝統的な分散投資」でも、「株式と流行りの金の分散投資」でもなく、「債券・金・エネルギー関連資産・(アクセス可能であれば)実物資産を含む一部のオルタナティブ資産などへの分散投資先の分散」を検討することが重要と言えるでしょう。

 

Guide to the Markets 2026年4-6月期版で解説『米国:景気後退期の債券のリターン』

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