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Guide to the Marketsで解説!米国・欧州・日本・アジア株式の2026年の注目点は?

<要旨>

米国株式の注目点は?

・マグニフィセント7やAI関連株式に止まらず、消費関連株式などにも物色の裾野の広がりがみられるかどうかが注目点の一つです。また、税還付に加え、米国の中間選挙対策として追加の財政刺激策(低中所得層への大規模な現金給付など)が実現するかどうかも重要です。

欧州株式の注目点は?

・ドイツの積極財政の効果発現が防衛・インフラ関連株式の追い風となるほか、家計と企業向けの融資の伸びが銀行株式などにとっての好材料として意識されます。加えて、日米株式と比べた割安感も魅力的です。

日本株式の注目点は?

・実質賃金のプラス転換(→消費・内需関連株式に恩恵)、選挙後に勢いを増すサナエノミクス下で投資活性化(→経済安保関連・防衛・銀行株式に追い風)、コーポレートガバナンス・コード改訂(→ネットキャッシュの有効活用が見込まれる株式への資金流入)、などに注目です。

アジア(除く日本)株式の注目点は?

昨年来の見直し買い継続、世界と比べて強い企業業績見通し、AI関連企業の大躍進、韓国と中国のコーポレートガバナンス改革の進展などが好材料です。

<本文>

米国株式の今年の注目点は?

今年は、業績期待がAI関連銘柄以外にも広がるかどうかが注目点の一つです。以下図表の【左上】は、マグニフィセント7(以下M7)とS&P 500(除くM7)の予想1株利益(EPS)の伸び(前年比)を示しています。2025年第4四半期以降はアナリストの予想集計値です。M7はアップル、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、テスラの7社1を示しています。

【黄緑色】で示しているM7と【青色】で示しているS&P 500(除くM7)のEPSの伸びを見ると、①引き続き急拡大するAI関連ビジネスなどを背景にM7が高成長を維持することが期待されている一方、②S&P 500(除くM7)も今年は遂に2桁増益を達成することが見込まれています。②が示唆する米国株式のファンダメンタルズ改善の裾野の広がりの背景には、トランプ米政権による関税の逆風緩和、規制緩和、財政刺激策、米連邦準備制度理事会(FRB)がもたらす良好な金融環境などのサポートがあると考えられます。

中でも、財政刺激策については、【左下】で示している通り、2026年の所得税の平均還付額が2025年から900米ドル強跳ね上がることが見込まれており、これが個人消費の押し上げ要因になると考えられる点に注目したいところです(注:税還付の規模については様々な試算値があります)。

なお、一部の投資家は家計の消費をサポートする材料はこれだけに止まらない可能性も意識しており、具体的には昨年11月にトランプ米大統領が言及した「低中所得層向けの1人当たり2,000米ドルの配当金」などに注目しています。このような追加の大規模な財政出動に対しては共和党内の反発もあるため、現時点の市場ではさほど織り込まれていないと思われますが、米国の中間選挙が近づくにつれて仮に現実味を帯びてくるようであれば、税還付とあわせて消費関連株式などへの強力な追い風になる可能性があります。

1 上記は個別銘柄の推奨を目的として示したものではありません。弊社若しくは弊社グループ会社又はそれらの従業員は上記で言及している有価証券を保有している場合があります。

欧州株式の今年の注目点は?

欧州株式については、①防衛力やインフラ増強へ向けた財政出動、②家計や企業による支出拡大期待、③日米株式と比べた割安感などが今年の注目材料として挙げられます。

まず、「①防衛力やインフラ増強へ向けた財政出動」に関しては、ドイツが昨年に厳格な債務抑制方針を転換し、今後10年余りで1兆ユーロを国防費やインフラ投資に充てることを決定した点が重要です。これに伴う支出は、【右上】のドイツの実質政府投資(前年比、4四半期移動平均値)が示している通り、今年大幅に増加することが予想されています。このようなドイツの積極的な財政政策は、同国内に止まらず周辺国にも好影響が及ぶとの期待が高まっており、欧州の防衛・インフラ関連株式への追い風となる可能性があります。

次に、「②家計や企業による支出拡大期待」に関しては、これまでの欧州中央銀行(ECB)の利下げの効果もあり、【右下】のユーロ圏の銀行融資の伸び(前年比)で示している通り、企業や家計向けの銀行融資がしっかり伸びている点が好材料です。今後もこの傾向が続けば、個人の支出拡大や企業の設備投資増加が予想され、融資増が好材料となる銀行株式などへの追い風になる可能性があります。

最後に、「③日米株式対比での割安感」に関しては、日米欧で予想株価収益率(PER)を比較すると、昨年末時点で欧州株式が最も低水準(約15倍)になっている点がポイントです。

Guide to the Markets 2026年1-3月期版で解説『米国株式と欧州株式の今年の注目点』

日本株式の今年の注目点は?

以下の図表の【左】で日本株式の今年の3つの注目点をまとめています。今年は、①高い賃上げ継続と物価高の一服、②衆院解散で勢いが増すサナエノミクス、③企業統治改革などが注目点として挙げられます。

まず、「①高い賃上げ継続と物価高の一服」に関しては、連合・経団連・高市首相が揃って高い賃上げ率の維持を掲げる中、食品などのコストプッシュ型インフレが落ち着けば、今年は実質賃金がプラス転換するほか、物価高対策も効果を発揮すれば、個人消費が活性化することが予想されます。このような展開は、消費・内需関連株式を押し上げる可能性があります。

次に、「②サナエノミクス」に関しては、衆院選後に求心力を高めた高市政権が推進する、17の戦略分野への「成長・危機管理投資」や設備投資促進減税が起爆剤となり、国内の投資及び融資が活発化する可能性があります。このような材料は、AIや半導体をはじめとする経済安保関連株式や防衛株式、銀行株式などに好影響をもたらすことが期待されます。

最後に、「③企業統治改革」に関しては、「インフレで現預金が目減りする状況」が継続することや5年ぶりとなるコーポレートガバナンス・コードの改訂がカタリストとなり、企業の現預金の有効活用を促す可能性があります。これまで豊富なネットキャッシュを持て余していた企業が、株主還元に加えて企業価値向上に繋がる研究開発や人的資本などの成長投資などにも積極的になれば、国内外の投資マネーを引き寄せるとみています。

アジア(除く日本)株式の今年の注目点は?

足元ではアジア(除く日本)株式が好パフォーマンスをみせている点を認識しておきたいところです。【右上】のチャートを見ると、2025年は世界株式のリターンが20%強と好調だった中、アジア(除く日本)株式はそれを大きく上回る約30%強のリターンを叩き出していたことが分かります。今後もアジア(除く日本)株式が世界株式をアウトパフォームできるかどうかを占う上では、①企業業績見通しや、②コーポレートガバナンスの動向などに注目すべきでしょう。

まず、「①企業業績見通し」に関しては、【右上】で世界株式とアジア(除く日本)株式の2026年の予想EPS成長率の見通しを比べると、世界株式の約14%に対してアジア(除く日本)株式は約20%と優位であり、更に情報技術セクターに絞れば世界株式の約29%に対してアジア(除く日本)株式は約44%とかなりの高成長が期待されていることが分かります。

なお、アジア(除く日本)の情報技術セクターが好調の背景としては、半導体製造受託や生成AI向けの高性能メモリー、AIサーバーなどの分野で競争力を持つ韓国や台湾の企業に加えて、AI関連産業が急速に発展している中国企業などの活躍が挙げられます。

次に、「②コーポレートガバナンス」に関しては、日本を見習った中国や韓国の変化に世界中の投資家が注目しています。例えば中国では、企業がこれまでより株主還元重視の姿勢を強めたことによって、過去10年で配当や自社株買いが2倍以上に増加しました。

一方、韓国では、政府が2024年に「価値向上プラン」の策定及び開示を企業に促したほか、2025年には商法改正で少数株主の権利強化を図る取り組みも進めています。

これらの変化の結果を【右下】で示している「各指数の時価総額に対する自社株買い発表金額の割合」で確認すると、中国や韓国は急速に上昇しており、以前と比べてかなり積極的に自社株買いを行う姿勢をみせていることが分かります。

Guide to the Markets 2026年1-3月期版で解説『日本株式とアジア(除く日本)株式の今年の注目点』

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