今すぐチェック!足元の運用状況 2021年9月のポイント
9月のポイント
9月の騰落率は年1回決算型、毎月決算型ともに1.3%下落しました(図①)。2021年に入り、毎月着実に基準価額は上昇し続けてきましたが、9月はその上昇トレンドが小休止しました。過去の値動きを見る限り、市場は上昇と下落を繰り返しながら成長していきます。2021年のベスト・インカムの基準価額については、8月末までに毎月連続で7.8%もの上昇を見せてきました1。年1回決算型の設定来の騰落率は23.5%(図②)、年率換算で3.0%です2。また、ポートフォリオの平均利回りは4.0%でした(図③)。異次元の金融緩和が続く中でも、2021年は3.7~4.0%の利回りを維持しています3。
月次騰落率として2021年で初めてマイナスとなった9月の基準価額下落の要因を見てみましょう。月報の当月のポイントに「世界的な供給網の混乱やインフレ率の上昇に加え、景気拡大の鈍化など」とあります(図④)。夏場にかけてデルタ株の感染拡大が影響し、東南アジアからの部品供給の停滞などで、世界的に供給不足が起こったことが一因と考えられます。米国では金融緩和の縮小(テーパリング)への道筋がFRBから示され、インフレや金利上昇への懸念が高まりました。
では、運用チームは今後の動向をどのように見ているでしょうか。月報の「市場見通しと今後の運用方針」には、「各国政府や中央銀行による景気をサポートするための政策がリスク資産の支援材料になる」とあり、「今後数カ月は株価が緩やかながらも上昇すると予想している」としています(図⑤)。中央銀行による金融緩和のピークは越えましたが、金融緩和政策そのものが終了するわけではないこと、景気拡大のスピードは緩やかになるものの、企業収益の拡大が続いていることなどがその理由です(詳細はアセット・アロケーションの見方(2021年第4四半期)をご覧ください)。
これからの市場局面で威力を発揮する資産とは
2020年のコロナ・ショック後、上昇基調が続いたことで、高値警戒感が出ている市場もあります。また、米国のテーパリングや利上げが、過去に市場を混乱させる要因となったため、市場は敏感になっています。とは言え、景気が減速する局面や金利上昇に向かう局面で威力を発揮する資産もあります。金利上昇が緩やかなものになるという前提では、高配当株式、ROEが高く財務の健全性も高いクオリティ株式、ディフェンシブセクターの株式や、米国ハイ・イールド債券、リートなどのインカム系資産などが優位というデータがあります(詳細はGuide to the Markets 2021第4四半期版 P31をご覧ください)。
これらの多くがベスト・インカムのポートフォリオでも保有されており、2ページ目の資産別構成比率でも一部ご確認いただけます(図⑥)。ベスト・インカムで投資する株式は主に高配当株で、先進国と新興国と合わせたその投資比率は、過去と比べて高水準です。
「今後も株価は緩やかに上昇する」、「中長期的市場は成長する」と考えるのであれば、このように、市場環境に配慮しながら、その時々の市場環境にあった資産を選んで投資することで、資産をより安定的に成長させることができると考えます。ベスト・インカムでは今後も、運用のプロフェッショナル達が市場環境を見極めながら資産配分を行い、基準価額の上昇に努めてまいります。