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米国の「逆イールド」や金融不安を考慮した投資とは?

米国の金融引締め→景気・金融不安拡大

先週は金融市場で下記2点などの材料が注目され、米国の金融引き締めに伴う景気懸念や金融システム不安が強まりました。

①先週前半のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言

同議長の発言により、今後も強い経済指標が続けば、今月21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅が前回会合の0.25%から0.5%に引き上げられる可能性などが意識されました。これを受け、市場では景気後退のサインとされる「逆イールド」(→米国10年国債利回りが同2年国債利回りを下回る状況)が一段と深まる場面がありました。

②先週後半の金融不安

FRBの急速な金融引き締めが遠因となり、米国のシリコンバレー銀行が経営破綻したことが、投資家の金融システム不安を高めました。その後12日には、不安解消のため、米当局が同行の預金は全額保護されると発表しました。

今後の投資戦略は?

上記材料などから、更なる金融引き締めが今後の景気悪化や金融システムの不安定化に繋がる恐れを意識する場合、「もしかすると今は、米国の景気後退に向かっている途中かもしれないというリスク」を考慮した投資を検討するのも一案です。現時点では金融システム全体に危機が波及するとの見方は限定的であり、予想を上回る経済指標が続いている点なども踏まえれば、景気後退が目前に迫っているようには見えません。とはいえ、中期目線で例えば年後半などの景気後退リスクを考慮するのであれば、過去の「景気後退に向かっていく局面のリターン」などが1つの参考になるでしょう(→【補足】参照)。

【補足】「中期的に、米国の景気後退に向かっていくリスク」を考慮した投資戦略とは?

  • 上図の直近3回の「景気後退入り前月までの半年間のリターン」をみると、【上段】の資産別では多くの資産が下落する中、世界の高配当株式、米国の投資適格社債や国債など一部のインカム系資産は3回ともプラスでした。次に【下段】で世界株式のセクター別のリターンをみると、多くのセクターが下落する中、ヘルスケア・生活必需品・公益事業といったディフェンシブセクターなどは3回ともプラスになっていました。
  • 以上の歴史を踏まえると、「中期目線でこれから米国の景気後退に向かうリスク」を考慮した投資戦略としては、信用力が高い債券や世界の高配当・ディフェンシブセクター株式などへの分散投資が一案と考えます。

 

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