分散投資の一角を担う「債券投資の復活」に期待?

2023年は分散投資が機能する?

昨年の金融市場を振り返ると、高インフレと金融引き締めが金利上昇(債券価格の下落)と株安をもたらし、「分散投資が機能しない」ことが深刻な問題となりました。しかし今年は、この悩ましい状況から徐々に脱却できる可能性があると考えます。

信用力が高い債券の投資妙味が改善

まずは、昨年と比べて信用力が高い債券の投資妙味が改善している点に注目です。①例えば利回りをみると、昨年初の名目米国10年国債利回りは1%台半ばでしたが、足元では3%台半ばまで上昇しています。また、実質米国10年国債利回りも、昨年初の-1%程度から+1%超まで上昇しています。②加えて、中期的には米国の金融政策の変化がもたらす債券のキャピタルゲインにも期待できると考えます。

3%台半ば

名目米国10年国債利回り

1%超

実質米国10年国債利回り

FRBが利上げを打ち止めるタイミング

昨年は利上げ一辺倒だった米連邦準備理事会(FRB)ですが、先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、足元のインフレ率の鈍化傾向や景気減速基調を受け、早ければ今年の3月、遅くとも5月の会合で利上げが打ち止めになる可能性(ともに0.25%の利上げ)が意識されました。FOMC後には強い雇用統計が発表されましたが、現時点では「年前半の利上げ打ち止め」との見方は大きく揺らいでいません。

過去は利上げサイクルが終了すると、【紺色】の10年国債利回りなどが低下基調(債券価格は上昇基調)に転じる中で、債券のトータルリターンが堅調になったことがわかります(→【緑色のマーカー】を参照 )。以上の点を踏まえれば、今年前半の「債券投資の復活」に期待したいところです。

 

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