「先見性」を活かした銘柄発掘
JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(愛称:アメリカの星)の投資先ファンドであるJPモルガン・ファンズ-USグロース・ファンドは、2005年から19年もの長期にわたって運用を行っています。運用の要は銘柄選定にあります。ここでは、「アメリカの星」を運用するチームがどのように米国あるいは世界で活躍する「スター・プレイヤー1」となる企業を発掘しているのかについて、運用チームの思考回路をたどりながら紹介していきます。
エヌビディアの早期発掘のきっかけは「好奇心」
銘柄選定のカギは「チーム全員が好奇心旺盛であること」です。今回は米半導体大手のエヌビディアの投資事例を用いて、2016年当時にはまだ市場がその成長性に十分に気づいてなかった同企業をどのように発掘していったのか、その経緯についてご紹介いたします。
エヌビディア投資のきっかけは2015年に運用チームの一人が、人工知能(AI)技術においてゲーム以外の画像処理半導体(GPU)の利用価値が高いことをチームに説明したところから始まりました。
さらにある日、運用担当者の一人が3歳の息子がアレクサを駆使して、やりとりしている光景を目にしました。同業他社製品が大人の話を十分に理解できていなかった当時、アレクサが3歳児のつたない話し言葉に反応するさまに驚きました。その時の気持ちを好奇心が大いにかきたてられた出来事だったと運用担当者は語っています。
その後、自然言語処理に関するリサーチペーパーをはじめとして、調査を重ねるごとに関心は高まっていきました。運用チームはコンピューターに関する最新技術を紹介する国際会議「スーパーコンピューティング・カンファレンス」へ参加します。この会議に参加して、AIについて強気の見通しとなったのはもちろんですが、それよりも今後の人々の生活や様々な、産業へ波及するAIの潜在的可能性に圧倒されて運用拠点のニューヨークへ戻りました。
グーグルの頭脳を招き、洞察を深める
AIは本当に世界を変える技術なのかどうかを、さらに深く調査するためには、やはり開発者に確かめる必要があると、運用チームは考えました。そこでグーグルの技術開発チームの創設者の一人をニューヨークのオフィスへ招き、話を聞きました。彼曰く、AIは歴史上初めて、人間が見聞きするものを人間以上に理解することができるようになるということでした。こうした調査を経て確信度を得た運用チームは、AIに欠かせないGPUを開発している企業であるエヌビディアの投資を決定しました。
上記のように運用チームの「好奇心」、「探求心」がアメリカの星のポートフォリオを作っているのです。また、技術開発のトップランナーの話を聞くことができるというのも、機関投資家として世界最大手の一角を担う金融グループに属するJ.P.モルガン・アセット・マネジメントの存在感があってこそと言えます。「アメリカの星」では世界をきらりと輝かせる力を秘めた企業を日々探しています。