2024/01/26
「いぶし銀」の働き?高配当株式に期待!
2023年12月は11月に続き、債券、株式市場ともに堅調に推移したため、組み入れた資産の多くがファンドのプラスのリターンに貢献する展開となりました。結果、ファンドの基準価額は年1回決算型、毎月分配型ともに3.6%上昇しました(図①)。
2023年の後半にかけて、米国の利上げサイクル終了とソフトランディング(景気過熱の状態から景気後退には陥らずに緩やかな景気拡大ペースに減速すること)期待が高まりました。株式市場では、高配当株式を含め広範な銘柄が上昇したことから、ベスト・インカムのパフォーマンスにも追い風となりました。
「高配当株式」への投資は値上がり益(キャピタル・ゲイン)に加え、配当金というインカム収益も獲得できます。ベスト・インカムにとっては、米国ハイ・イールド債券などと同様に投資の要となっています。月報には「先進国株式」と表記されていますが、ベスト・インカムでは先進国の「高配当株式」に投資を行っており、2023年12月末現在ではポートフォリオの約20%を投資しています。欧州株式(こちらも高配当株式)を含めるとポートフォリオ全体の30%近くを投資していることになります(図②)。ベスト・インカムのポートフォリオでは「先進国株式」部分の配当利回りが4%、「欧州株式」部分の配当利回りが5%と相対的に魅力的な水準となっています1。
一般的に高配当株式は株価が下落すると、配当利回りが上昇するため、配当利回りを選好する投資家が買い支え、株価の下値が限定的となる特徴があります。高配当株式はベスト・インカムが目指す、インカム収益を分散し、下値抵抗力を発揮する重要なパーツです。
運用チームでは米国経済はソフトランディングするとみています。過去の経験則より、高配当株式は景気減速期に、相対的に堅調なパフォーマンスとなる傾向にあり、今後、ベスト・インカムのパフォーマンスに寄与することが期待されます。実際に、代表的な指数でみると、過去にソフトランディングが実現した1995年では、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止した1年後に、先進国高配当株式は37%のプラスのリターンを記録し、29%のリターンであった先進国株式を上回りました2。
2023年は一部のテクノロジー株式にけん引されて、先進国株式は大きく上昇し、24%のリターンを記録しました。一方、先進国の高配当株式は10%の上昇にとどまっています3。結果、先進国の高配当株式は出遅れており、相対的に割安に放置されていると考えています。現在の市場環境の中、ベスト・インカムにとって、相対的に高い配当利回りと下値抵抗力を発揮する「高配当株式」は、地味ながらもいい仕事をする「いぶし銀」のような役割を果たしてくれると期待しています。
1 出所:J.P.モルガン・アセット・マネジメント
2 出所:ファクトセット、連邦制度準備理事会(FRB)、J.P.モルガン・アセット・マネジメント、(先進国株式)MSCI World Index、米ドルベース、(先進国高配当株式)MSCI World Indexの構成銘柄において12ヵ月の累積配当の多い上位10%並びに累積配当の少ない下位50%を除くの銘柄のリターンを時価総額平均することで算出、米ドルベース、1995年2月末を最後の利上げとして算出。
3 出所:ブルームバーグ、(先進国株式)MSCI World Index(配当込み)、(先進国高配当株式)MSCI World HIGH DIVIDEND YIELD Index(配当込み)、米ドルベース
画像は本コラム執筆時のJPMベスト・インカム(年1回決算型/毎月決算型)の月報より抜粋したものです。最新の月報は こちら
「JPMベスト・インカム(年1回決算型)/(毎月決算型)」を総称して「JPMベスト・インカム」または「ベスト・インカム」と言います。投資先ファンドとは「JPモルガン・インベストメント・ファンズ-グローバル・インカム・ファンド」の「Iクラス(円建て、円ヘッジ)」(「グローバルインカムファンド」と言います。)を指します。「ベスト・インカムの投資先ファンドの運用戦略」を「ベスト・インカムの運用戦略」と呼ぶ場合があります。ベスト・インカムは投資先ファンドを通じて実質的な運用を行います。インカム収益とはファンドが実質的に受領する債券の利息(クーポン)、株式の配当およびリートの分配金を主とする収入をいいます。上記の運用に関する説明は、利回りのデータも含め投資先ファンドにおけるものです。ただし、ファンドの騰落率に関しては、ベスト・インカムの騰落率(税引前分配金再投資)のデータです。当ファンドの投資先ファンドのポートフォリオを「ベスト・インカムのポートフォリオ」と呼ぶ場合があります。本コラムではグローバル経済や市場の出来事を説明する目的で個別企業に言及することがありますが、その企業の発行する有価証券の売買を推奨するものではありません。上記の意見・見通しは表記時点あるいは掲載時点でのJ.P.モルガン・アセット・マネジメントの判断を反映したものであり、今後変更されることがあります。