今すぐチェック!足元の運用状況 2020年3月のポイント
新型肺炎の影響を受けて基準価額は続落
本コラム執筆時点(2020年4月22日)で、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大は続いており、世界中で経済活動が急停止する中、日本でも緊急事態宣言が出されるなど、かつて経験したことがない経済環境が続いています。ベスト・インカムも、3月の騰落率は-14.5%と月次では過去最大の下落率となりました(図①)。
「分散投資=資産価値が下落しない」ではないことを再認識
分散投資の目的は、値動きが異なる資産を組み合わせて資産価値の下落を抑え、中長期的なリターンを狙うことです。ここで重要な点は、上記の「下落を抑える」ということは、「下落しない」ことではないということです。
リターンを獲得するためには、何らかのリスクを取る必要があります。資産運用のゴールとして、例えば、教育資金が必要になる10年後、リタイアした20年後といった将来においた場合、運用を10年、20年にわたって継続することになります。そして、その間には、市場が極端なリスクオフになって、一定の期間保有資産の価値が下がってしまうことは起こり得ます。実際に、2000年代のITバブル崩壊や世界金融危機などが思い起こされます。しかし、その後の値動きを見ると、その大きな下落を取り戻してさらに高値を更新する資産が多いのも事実です。
このことから、長期で資産運用を続けるためには、短期的な下落局面が起こったとしても、冷静に対応することが、ゴール達成のためには必要だと考えます。
分散投資が効かない局面とは
長期でリスクを取り続けると、下落局面に必ず遭遇します。ベスト・インカムでも、様々な「下落を抑える」工夫を行ってきましたが、それでも3月は大きな下落となりました。ベスト・インカムでは、10以上の資産、約90の国・地域、2,700を超える銘柄に分散投資を行っています*。下落を抑えるために、極力値動きの異なる組み合わせとなるよう投資判断を行っています。
しかし、金融市場がパニックとなって、投資家が保有資産を投げ売りすると、資産運用の理論は通用せず、多くの資産が同時に下落することがあります。3月の市場でも、通常であれば逆方向に動くことが多い株式と債券が、一時同時に大きく下落する局面が見られました。しかし、4月に入ると徐々に落ち着きを見せています。実際に、ベスト・インカムの基準価額も3月末から4月16日までの約2週間で5.2%の上昇と、過去経験したことのないほどの急な上昇となりました。
運用チームがコメントしているように、世界経済は「景気後退局面に入った」と考えられます(図②)。「変動性の高い相場展開が続く」ことを前提に、今後も徹底した分散投資を行いながらも、適度にリスクを取って、市場が反発する時には、上昇局面をとらえられるよう、細心の注意を払いながら運用を続けてまいります。

*資産、国・地域は2020年3月末時点、銘柄数は2020年2月末時点
「JPMベスト・インカム(年1回決算型)/(毎月決算型)」を総称して「JPMベスト・インカム」または「ベスト・インカム」と言います。投資先ファンドとは「JPモルガン・インベストメント・ファンズ-グローバル・インカム・ファンド」の「Iクラス(円建て、円ヘッジ)」(「グローバルインカムファンド」と言います。)を指します。「ベスト・インカムの投資先ファンドの運用戦略」を「ベスト・インカムの運用戦略」と呼ぶ場合があります。ベスト・インカムは投資先ファンドを通じて実質的な運用を行います。上記の運用に関する説明は投資先ファンドにおけるものです。ただし、ファンドの騰落率に関しては、ベスト・インカムの騰落率のデータです。当ファンドの投資先ファンドのポートフォリオを「ベスト・インカムのポートフォリオ」と呼ぶ場合があります。