今すぐチェック!足元の運用状況 2020年2月のポイント
新型肺炎の影響を受けて基準価額は下落
本コラム執筆時点(2020年3月23日)で、新型コロナウィルスによる肺炎の世界的な感染拡大は続いています。震源地である中国での新規の感染者数は減っていますが、感染拡大が欧州や米国にも飛び火したことで、金融市場の動揺は大きくなりました。ベスト・インカムも、2月の基準価額の騰落率は1.5%の下落に留まりましたが(図①)、3月に入り、大きく下落しています。ここでは、2月の動きだけでなく、3月の動きもあわせて解説します。
2月のポイント
米国の経済指標は堅調さを維持していましたが、新型肺炎の問題が早期に収束するという期待は日を追って低下していきました。株式やリートなどのリスク資産が大きく下落し、基準価額の下落要因となりました。一方で、株式と逆の動きをする分散効果を期待して、政府系証券化商品への投資比率を設定来で最高水準まで引き上げ9.5%としたこと(図②)が、予想通りパフォーマンスの下支えとなりました。
3月のポイントと今後の運用について
世界保健機関(WHO)の「パンデミック」宣言や、主要産油国の交渉が決裂し原油価格が急落するなど悪材料が噴出し、米国株が過去最大の下げ幅を記録するなど、金融市場の不安が一気に高まりました。
ベスト・インカムで最大の資産配分となっている米国ハイ・イールド債券は、特に原油価格下落をきっかけに大きく値下がりし、基準価額を押し下げました。とは言え、発行企業や業種を選別すれば、利回りなどの面から魅力的な投資対象であるという考えは変わっていません。ベスト・インカムでは、以前よりエネルギーセクターへの投資比率を抑え、ヘルスケアや電気通信サービスなどの、相対的に値下がりしにくいと考えられるセクターを中心に投資してきました。格付けも高めのものを中心に投資し、混乱した市場の中で、リスクを抑えながらできるだけ高いインカムを獲得するための運用を続けています。
分散効果を狙って2月に買い増した政府系証券化商品は、3月に入っても期待通りの役割を果たしています。3月15日にFRBが発表した量的緩和政策において、正味2,000億円の追加購入が計画されており、今後も堅調な動きが期待できると考えています。
ポートフォリオ全体としては、下落リスクの抑制に配慮した運用を行っています。同時に、割安になった時点で機動的に投資できるように、一時的に現金等の比率を増やしています。たとえば、大幅反発したタイミングをとらえて、欧州株式を一部売却して現金化し、新たな投資チャンスを狙っています。
金融市場は2008年の金融危機以来の混乱に見舞われており、ベスト・インカムもかつてないほどの下落を経験しています。こうした環境での資産運用との向き合い方は、弊社ストラテジストによれば、「資産運用を継続し、市場の急落にあわてて投げ売りをしない」ことです。金融市場には「大幅下落」もあれば「大幅上昇」もありますが、長期で見れば、株価は「右肩上がり」であることは過去のデータからも明らかです。
そうなると、重要なのは市場が反発する局面での回復力です。ベスト・インカムは、機動的な資産配分や為替ヘッジなどによって、リスク抑制に最大限配慮していますが、株式やハイ・イールド債券などに投資し、適度にリスクを取りながら運用しているため、市場が大きく下落する局面では、パフォーマンスが悪化しがちです。しかし、適度にリスクを取っているからこそ、市場が反発する時にはうまく上昇局面をとらえることができ、インカムの積み上げも下支えとなって長期的には良好なパフォーマンスを実現してきました。
今回の下落局面は設定来で最大の難局ですが、これまでも様々な下落局面を経験する中、世界で12年支持されてきたベスト・インカムの運用コンセプトは長期的には有効だと考えています。 過去の市場下落局面での対応については、こちらのレポートをご覧ください。また、足元の運用状況と今後の運用方針については、こちらのレポートをご覧ください。