今すぐチェック!足元の運用状況 2020年1月のポイント
1月のポイント
2020年代のスタートとなった1月は、強弱の材料が入り混じる展開となりました。月初には、「米中貿易交渉の進展」という好材料が出て、基準価額は順調に上昇しました。しかし、月末にかけて「新型肺炎の感染拡大」という悪材料が出たことで、1月の騰落率は0.1%となり(図①)、基準価額は前月末とほぼ変わらずとなりました。
新型肺炎の感染が拡大するにつれて、市場は「リスクオフ」モードとなりました。この結果、世界株式や新興国株式が下落する一方で、世界的に債券利回りが低下し、とりわけ新興国債券などの債券価格が上昇しました。ベスト・インカムは、様々な資産に投資していることで分散効果が働き、大きな下落には至りませんでした。
今後の新型肺炎による影響は?
さて、今一番気になる話題は新型肺炎の影響でしょう。そこで、今、運用チームが考えていることをご紹介します。
まず、運用担当者はウィルスの専門家ではありませんので、科学的に感染拡大がいつまで続くのかを見通すことはできません。できるのは、様々なシナリオを想定して、その上で、どのような運用を行うことがベスト・インカムにとって最適かを考えることです。
重要なのは感染拡大がどれくらい続くのか?という期間の観点と、収束までに要する期間により中国がどう動くか、対応策の内容や規模だと考えています。
中国の政策運営を見ていると、景気が悪化したり、目標としている成長率に届かない場合に、景気刺激策を打ち出してくることがよくあります。代表的なケースは2008年の世界金融危機直後に発動した4兆元もの景気刺激策です。これは当時の中国のGDPの10%以上にものぼる巨額なもので、低迷していた世界景気の下支えとなったと言われています。そのため、今回も感染拡大が落ち着いたところで、財政出動や利下げなどの対策を打ち出す可能性が高いと考えられます。
運用チームでは、収束するまでに要する期間を短期、中期、長期の3つのシナリオに分け、それぞれの場合における中国政府による政策の内容や規模を想定し、それが景気の拡大ペースにどれくらいの下押し圧力があるかを分析しています。感染拡大が続く期間を正確に見通すことは難しいため、いくつかのパターンをあらかじめ想定した上で、ひとつのパターンに決め打ちするのではなく、どのような展開になっても、最も安定的に運用を続ける方法をあらかじめ準備しておこうというわけです。
本コラム執筆時点で新型肺炎の問題の先行きは見えませんが、先行きが見通しづらい時こそプロの出番、市場環境に応じて資産配分を変えていくベスト・インカムを資産運用にご活用ください。