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Guide to the Marketsで解説!米国の中間選挙を控え、トランプ政権とFRBはどう動く?

<要旨>

米国の中間選挙を睨んだトランプ政権の関税・財政政策と、新議長体制下の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が米経済に与える影響は?

・米国の中間選挙に向けてトランプ政権が低迷する支持率のテコ入れを図る中、今年は多くの家計や企業を支える経済政策が打ち出される可能性があります。FRBも、追加利下げや「ミニ量的緩和(QE)」などで金融市場と経済を支えることが見込まれています。

・「経済や市場にフレンドリーな米国の関税・財政・金融政策は、K字型1の格差解消に繋がる」とまでは言えないかもしれませんが、「少なくとも一部の政策は、K字型の勝ち組のみならず負け組にも恩恵をもたらす」ということは言えそうです。

1 富裕層と貧困層の経済格差などの二極化が進んでいる状態を指す。

<本文>

米国の中間選挙を睨んだトランプ政権の関税・財政政策と、新議長体制下の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が米経済に与える影響は?

今後の米政権の経済政策を考える上では、引き続き支持率の動向を追う必要があると考えています。そこで以下の図表の【左上】をみると、発足直後に50%を超えていたトランプ米大統領の支持率は、関税政策や政府機関閉鎖などが原因で今や43%台まで落ち込んでいます。第1次トランプ政権時の支持率と選挙結果の関係を振り返ると、当時の米国の中間選挙や大統領選挙は45%前後の支持率で敗北した過去があるため、トランプ大統領はこれから支持率のテコ入れを図る必要があるでしょう(→注:第1次政権時の中間選挙敗北後は、政策停滞や弾劾訴追などに繋がり、厳しい政権運営を迫られた苦い思い出があります)。最近の世論調査などを参考にすると、支持率を上げるためには物価や雇用、経済への取り組み強化が必要と考えられるため、今後は以下のような経済・市場フレンドリーな経済政策が続く可能性が高まっています。

まずは関税政策についてです。【左下】で米国の平均関税率の試算値の変遷をみると、昨年4月8日のピークの30%→約3ヵ月前の19%台→直近の15%台へと低下基調が続いていることが分かります。なお、約3ヵ月前からの低下については、2025年10月の米中首脳会談を経て翌11月に対中関税率が引き下げられたことなどが影響しています。加えて同11月には、家計への配慮から、220品目を超す食料品を対象に相互関税を撤廃する方針も示されました。

今後は米最高裁が相互関税を違憲と見做すかどうかに注目が集まりますが、仮に違憲となった場合でも、トランプ政権は相互関税に代わる新たな関税の発動を模索するでしょう。ただし、過去3ヵ月間における選挙を見据えた関税引き下げの動きなどを踏まえれば、新たな関税政策が足元以上に家計や企業に打撃を与えるような設計になる可能性は低いと考えられます。

次に、財政政策についてです。企業及び家計向けの減税が米国経済や企業業績の追い風となる見込みです。まず企業向け減税に関しては、国内研究開発費の控除や設備投資の全額を1年目に所得から差し引ける特別減価償却などが米国内の投資や株主還元の拡大に繋がるとみています(→IT、コミュニケーション、ヘルスケア、資本財、エネルギーセクターなどが恩恵を受ける可能性があります)。一方、家計向け減税については、残業代・チップの免税措置や新たな各種税額控除などが個人消費の増加要因となることが予想されます。具体的には、今年上半期に大規模な税還付があり、これが家計の購買意欲を刺激すると考えられます。

以上は現時点で既に決まっている財政政策ですが、一部の投資家の間では、「米国の中間選挙前にトランプ政権が追加の刺激策を打ち出す」との見方もあります。

また、FRBの金融政策も米国経済を下支えする可能性があります。【右下】をみると、今年はFRBによる2回の追加利下げが金融市場で織り込まれていることが分かります。また、FRBのバランスシート政策に関しても、昨年までの量的引き締め(QT)が所謂「ミニ量的緩和(QE)」へと転換し、中期的にみた場合は経済や銀行システムの拡大に見合うかたちでバランスシートも再拡大していく可能性が意識されています。「ミニQE」に関しては、2025年12月のFOMCで短期国債の買い入れが発表された中、パウエル議長は当該決定に関して「金融政策のスタンスとは別のもので、金融政策そのものに何ら影響を与えるものでもない」と発言しており、金融緩和のための措置ではないと述べました。たしかに、大量の長期国債などを購入した過去のQEとは区別すべきですが、「結局のところ、金融市場に流動性を供給していることに変わりはない」という点を重視する市場参加者はこれを「事実上のQE」と見做しているほか、一部の株式投資家が「バランスシートの拡大=株高要因」と捉えている点は否めません。

上記で確認してきた通り、「経済や市場にフレンドリーな関税・財政・金融政策は、K字型の格差解消に繋がる」とまでは言えないかもしれませんが、「少なくとも一部の政策は、K字型の勝ち組のみならず負け組にも恩恵をもたらす」ということは言えそうです。

Guide to the Markets 2026年1-3月期版で解説『米国:大統領支持率と関税・財政・金融政策』

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