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株式の本質的価値と市場の乖離を見つける

株式のリターンを追求するにあたって、運用チームでは株式の本質的価値であるファンダメンタルズ1を見極め、市場の評価との乖離を見つけることを重要視しています。運用チームが、成長性の高さに着目し、積極的にテクノロジーセクターの銘柄を調査した際の例をご紹介します。

オラクルの投資例

2020年はグロース株式2 が好調な相場でしたが、その当時に調査を行っていたテクノロジー銘柄の中で対照的な特徴を持つ例としては、ショピファイとオラクルがあげられます。当時のショピファイとオラクルを比べてみると、ショピファイの方が利益成長率は高かったものの、運用チームが考えるファンダメンタルズに市場の評価が追いつき、やや割高感が出てきたように見えていました。一方のオラクルは利益成長率はショピファイを下回っていたものの、良好なファンダメンタルズが株価に織り込まれていないと考え、2021年5月にオラクルに投資しました。良好なパフォーマンスを実現するには、大きく成長する銘柄を見つけるだけでなく、現在の企業の実力と市場の評価との乖離を測って、投資を行うことも重要だと考えています。

市場との乖離に気づくにも企業の実力を推し測る能力が必要

オラクルの株価がファンダメンタルズ対比で割安であると判断した背景には、長年にわたる調査がありました。オラクルはテクノロジー・セクターの中でも大手であることから、投資を行っていない時期も継続的に調査を行っていた銘柄の一つでした。過去の調査では、同社ではクラウド関連事業への移行に時間がかかっており、同社CEOはクラウド関連事業への将来的な収益機会に期待を寄せていたものの、運用チームの調査によると当時の顧客の反応はCEOが期待するほどのものではないように見受けられました。しかし、継続的に調査を続けていた2021年、同社が展開するクラウド・サービスである「オラクル・クラウド・インフラストラクチャー」について、他社の同様の製品よりも低価格であり、顧客から前向きな反応を聞くようになってきていることがわかりました。運用チームではさらに調査を行い、同社に約10%程度の利益成長が見込まれると考えるようになりました。運用チームではこのように綿密な調査に基づき、運用チームが考えるファンダメンタルズと市場の評価の乖離に着目して投資判断を行っています。継続的に調査を行うことで、企業を取り巻く変化を捉えることにもつながり、ポートフォリオの収益機会になると考えています。

このような調査を経て厳選した64銘柄を保有し、JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(愛称:アメリカの星)の投資先ファンドであるJPモルガン・ファンズ-USグロース・ファンドの運用戦略は世界で約20兆円を運用しています。(2024年3月末現在)

JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジなし、年1回決算型)およびJPモルガン・アメリカ成長株ファンド(為替ヘッジあり、年1回決算型)の両ファンドは、少額投資非課税制度(NISA)の成長投資枠対象ファンドです。

JPモルガン・アメリカ成長株ファンド(愛称:アメリカの星)の最新の月報は こちら
 
1 経済活動の状況を示す基礎的な要因のことで、株式においては、株式の本質的価値(ファンダメンタル・バリュー)を決定するのは、企業の財務状況や業績状況であり、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)などが代表的な指標として使われる。
2 株式市場においてはこれからの成長が期待できる銘柄を「成長株(グロース株)」と呼ぶ。業績が急拡大している、利益成長率の高い企業などを指す。
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