このページでは、世界の景気後退リスクと企業景況感を見ています。
【右上】は、グローバルの企業景況感(PMI、購買担当者景気指数)を示しています。足元ではグローバルのPMIが製造業、サービス業ともに好不況の分かれ目である50を下回っており、景気の下降サイクルは後半戦に入っていると見られます。今年は世界的な景気後退の懸念も意識され、例えば【左上】のBloombergによるエコノミスト調査をみると、【灰色】の米国が向こう1年間で景気後退入りする可能性は足元で60%を超えています。雇用は堅調で未だ景気後退が「確実」とは言えませんが、昨年来の急速な金融引き締めの悪影響が今後も出て来るとの見方などが背景にあるのでしょう。
米国以外に目を向けると、【左上】のユーロ圏は米国と同様に金融引き締め懸念が続いています。また、一時より懸念は和らいだものの、エネルギーの供給不安も根強く、米国以上に景気後退が意識されています。【青色】の日本については経済再開などもあり、現時点では景気後退が過度に意識されていません。但し【下】の通り、1970年以降の歴史を振り返ると、米国が景気後退に入ると日本も必ず景気後退入りしていたことを踏まえれば、外需の悪化を起点とする景気悪化の可能性を警戒すべきでしょう(→中国についてはGuide to the Marketsの29ページ参照)。
なお、仮にこれから米国が景気後退に入る場合は、株式市場がまだ最悪期を脱していない可能性が意識されます。なぜなら、第2次世界大戦後の歴史をみると、S&P 500は景気後退の開始前に底を付けたことがなかっためです。