このページでは、米国のインフレ率を見ています。
昨年多くの企業や家計、投資家の頭を悩ませた高インフレが、今年は落ち着いていく可能性があります。例えば【左】をみると、【緑色】の米国のインフレ率は既にピークアウトしているようにみえます。また、インフレ率に先行する傾向がある【オレンジ色】の販売価格の引き上げ計画(企業調査)も低下基調になっています。
最近のインフレ率の中身を見ると、エネルギー価格が低下していることに加え、エネルギーと食品を除くコアの財価格も、供給網の改善や在庫の積み上がり、需要鈍化などによって上昇圧力が収まってきています。次に【右下】をみると、【紫色】の住居費の伸びは高止まっているものの、これに先行する傾向がある【黄緑色】の住宅価格がピークアウトしている点は安心材料です。
但し、住居費を除くコアサービス価格の上昇率が今後着実に落ち着いていくためには、【右上】の【灰色】の賃金上昇率が鈍化していく必要があります。この点を見極める上では、賃金上昇率に先行する傾向がある【青色】の人件費の引き上げ計画(企業調査)などを注視すべきでしょう。