このページでは、世界全体と米国の景気動向を見ています。
【左上】では、グローバルの企業景況感(PMI、購買担当者景気指数)について見ています。【オレンジ色】の製造業PMI、【深緑色】のサービス業PMIともに2022年末までは好不況の分かれ目である50を下回っていました。しかし、足元ではサービス業PMIが50を上回る水準にまで回復しており、製造業PMIは50を超えていないものの、50付近まで回復しています。
【左下】は各国・地域の経済指標の上振れ・下振れ傾向について見ています。こちらのグラフで示しているエコノミック・サプライズ指数は、経済指標の発表値と事前の市場予想との乖離の度合いを指数化したものです。発表された経済指標が市場予想を上回るほどプラス方向に動き、逆に市場予想を下回るほどマイナス方向に動きます。足元では各国・地域のエコノミック・サプライズ指数が上昇傾向にあり、市場予想を上回る経済指標の発表が増加していたことが見てとれます。
また、労働市場は比較的堅調さを維持しており、少なくとも現時点では景気後退入りが「確実視」される状況ではありません。例えば、【右】の【黄緑色】で示されているサーム・ルール(当月を含む失業率の3ヵ月平均値と前月までの1年間の最低水準との差)を見てみます。この指標が0.5を上回ると景気後退入りのサインとされていますが、直近値は0で、目安の0.5と比べてまだ距離があることがわかります。また、【紺色】で示されている失業率も2023年3月末時点で3.5%と低水準です。この労働市場の強さは、物価高の悪影響を受ける個人消費の下支えになる可能性があります。