このページでは、欧州と中国の景気動向を見ています。
【左】は、欧州の天然ガス価格と企業景況感(PMI、購買担当者景気指数)について見ています。2022年はロシアによるウクライナ侵攻が主な要因となり、【緑色】の欧州の天然ガスなどのエネルギー価格が急騰しました。また、インフレの高進やそれに伴う利上げを背景に景気減速懸念が強まり、【灰色】のユーロ圏の総合PMIも50を下回る水準にまで一時低下しました。しかし、足元では、暖冬による需要減などの影響を受けて、天然ガス価格が低下していくと同時に、ユーロ圏の総合PMIも好不況の分かれ目である50を上回る水準にまで回復しています。
【右上】は中国のインフラ投資と不動産投資と消費について見ています。中国の消費は、経済再開で持ち直しています。次に不動産市場は、バブル抑制のために政府が行った金融規制の強化と景気悪化のダブルパンチで低迷しましたが、政府がの動産市場に対する支援などもあり、最悪期を脱しつつあります。また、財政・金融刺激策の継続も好材料です。欧米とは対照的に中国では金融緩和が続けられており、2023年3月には預金準備率の引き下げなども実施されました。財政面では、インフラ投資が堅調に推移しています。
【右下】ではグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数)に先行する傾向がある「クレジット・インパルス」(→GDPに対する新規与信の伸び、【オレンジ色】)が上昇傾向にあることがわかります。世界第2の経済大国である中国の景気回復が順調に進めば、世界経済にも好影響をもたらす可能性があります。