このページでは、世界景気のサイクルと各資産のリターンを見ています。
足元では、グローバルの購買担当者景気指数(PMI)など一部の指標が上昇しており、企業の景況感が改善しています。また、2023年3月のシリコンバレー銀行の破綻を発端とした一連の金融システム不安の影響は限定的で、米国の金融政策の転換が世界景気の再加速の継続をもたらすだろうとの見方も市場の一部にはあります。
仮に今後景気が再加速すると考える場合、過去に景気が加速した局面で良好なリターンとなった資産を把握することで今後の投資の示唆を得るのも一案です。【青色】では、グローバルの製造業PMI(3ヵ月移動平均値)が節目の50未満で上昇傾向の局面における過去の月次リターン(平均値、図の棒グラフ)を示しており、【紫色】では、製造業PMIが50以上で上昇傾向の局面における過去の月次リターンを示しています。過去は製造業PMIが節目の50未満であれ、50以上であれ、上昇していればリスク資産のパフォーマンスも良好となっていたことがわかります。このように製造業PMIが上昇する局面では、国・地域別では日本株式や新興国株式が、セクター別では情報技術や一般消費財、金融、資本財、素材などの景気敏感セクターの上昇率が相対的に高くなる傾向がありました。一方で、米国国債などの安全資産のリターンは相対的に軟調となっています。一般的に、景気が加速する局面では金利上昇圧力が生じることもあり、このような要因が米国国債などのリターンにマイナスの影響を与えていると考えられます。
以上を踏まえれば、グローバルの製造業PMIが上昇する局面においては、過去PMIの上昇時に相対的に良好なパフォーマンスとなった景気敏感株式(日本、新興国、景気敏感セクター株式)への投資を検討したいところです。