このページでは、外貨預金と資産運用を見ています。
1995年以降の、米ドル預金、先進国国債100%、先進国株式と先進国国債に半分ずつの分散投資、先進国株式100%のパフォーマンスを円ベースで見てみましょう。
まず、【灰色】の米ドル預金は、【紫色】のドル円レートと似た動きを示します。確かに、円金利よりも利率は高いものの、利息の大きさよりも、ドル円相場の振れ幅のほうが大きく、後者に左右されてしまうためです。例えば、2007年からのドル安・円高局面を見ると、米ドル預金は利息があるにも関わらず、円高により、円ベースで目減りします。
一方、【青色】の先進国国債は、同じく2007年からの円高局面を見ると、ほぼ横ばいの推移となっています。これは、米国を中心とする主要国の金利が低下することで生じた、円高と国債価格の上昇とが、互いに相殺した結果と見られます。
このように、米ドル預金よりも一歩進んだ「外貨建ての先進国国債を組み入れた投資信託」が優位なパフォーマンスを残しています。
多くの個人投資家は、投資信託を通じて【緑色】の先進国株式を保有しているかもしれません。
例えば、2008年など、景気後退が来ると、株式は大きな下落に見舞われる恐れがありますし、そうしたときに下落を一部相殺するのは、価格が上昇しない米ドル預金というよりも、金利低下で価格上昇余地のある先進国国債でしょう。