このページでは、米国の製造業と住宅市場を見ています。
【左】では、米国の製造業について見ています。【紫色】は米国の製造業および経済全体を見る上で重要なISM製造業景況感指数を示しています。足元は好不況の目安である50を上回っており、堅調さを示しています。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な金融引き締めに伴う米ドル高が逆風となるほか、ISM指数に6ヵ月ほど先行する傾向がある【緑色】の新規受注指数/在庫指数が既に低下し続けているため、在庫循環の観点からも今後は製造業の活動が鈍る可能性があると考えられます。
【右】では、米国の住宅市場について見ています。住宅市場においてもFRBの金融政策の悪影響が見られます。【青色】は住宅ローン金利を示していますが、住宅ローン金利の大幅上昇の影響などで需要は既に冷え込んでおり、【紫色】の新築住宅販売に加えて、中古住宅販売も悪化しています。当面の高インフレを考慮すれば、少なくとも年内はFRBの金融引き締めが続きそうです。過去は利上げが続く限り住宅ローン金利も上昇する傾向があった点には注意が必要です。以上を踏まえれば、当面は住宅ローン金利が高水準で推移し、住宅市場の逆風となり続けることが予想されます。
以上の製造業のサイクルや住宅市場の冷え込みを踏まえれば、年後半の米国景気は、減速基調が本格化していくと考えます。