このページでは、米国の企業利益率と雇用や投資の循環を見ています。
過去は、【青色】の企業利益率が低下すると、【紫色】の雇用者数(前年比)や【緑色】の設備投資(前年比)などの企業支出も悪化していく傾向がみられます。これは、利益率が悪化すると、(自主的に、もしくは株主からの圧力などを受けて)企業経営者が支出を絞り込んでいくことを表しています。個々の企業でみればこのような合理化は健全かもしれませんが、多くの企業が一斉に雇用や投資を削減すれば景気後退を招くことになってしまいます(→「合成の誤謬(ごびゅう)」の一例)。
足元の企業利益率は過去と比べても高水準で、一部のテクノロジー企業などを除けば、雇用や設備投資は堅調に推移しています。但し、これから景気減速が進む中で、仮に人件費や原材料などのコスト高圧力が収まらなければ、企業利益率が悪化していく可能性があるため注意が必要です。
以上の点を踏まえると、今後の決算発表では、単に売上高や利益を確認するだけでなく、企業利益率や企業支出の動向に変化がないかも注視すべきでしょう。