このページでは、世界の新型コロナウイルスの感染動向と供給不足を見ています。
【左】は、新型コロナの世界の新規感染者数と新規死者数を見ています。今年の7-9月期は、感染力が強いデルタ株の感染拡大が景気に悪影響を与えましたが、今後を見通す上では、4つの明るい材料があります。①世界の新規感染者数がピークアウトしている、 ②今回の感染再拡大では、ワクチン接種の効果で、感染者数に対して死者数が限定的だった、③今後はワクチン接種の義務化や子供向け接種、ブースター接種が進む見込み、④軽症者用の飲み薬の開発などが進んでいる、という点です。
【右上】と【右下】は、グローバルの製造業の景況感指数を見ています。
7-9月期は、グローバル製造業購買担当者景気指数(PMI)などが低下し始めたため、投資家の先行き不安が高まりましたが、“現時点では”さほど懸念しなくてよいかもしれません。
そもそも景況感が悪化した主因として、【右上】のサプライヤー納期からわかる通り、新型コロナの世界的な感染再拡大などによって、供給不足となり、生産活動が抑制されたことが挙げられます(→例:東南アジアの部品供給の停滞)。
一方、需要はまだ堅調で、これは安心材料です。【右下】をみると、新規受注が高水準であるほか、完成品在庫は低水準です。
以上を考慮すれば、足元の世界的な感染のピークアウトに遅れて徐々に供給不足が和らぐと、当面は生産活動が堅調になることが予想されます。懸念すべきは需要が弱く、在庫も積みあがる局面ですが、これは“目先のリスク”ではありません。