このページでは、新型コロナウイルスが、米国の雇用に与えた影響を見ています。
【左】では、米国の雇用統計を見ています。非農業部門雇用者数の前月からの変化幅を見ると、米国で都市封鎖(ロックダウン)が実施されていた2020年4月に「歴史的な雇用の悪化」が見られましたが、ロックダウンが解除された5月以降は、一時的に解雇されていた労働者の一部が職場に戻り始めたことを反映して「歴史的な改善」となりました。しかしその後は、感染再拡大による経済活動の制限から、米国の雇用は悪化傾向となっています。
【右】では、米国の失業者を見ています。米国では、経済活動が再開した2020年5月から失業者数が減少に転じるなど、一見明るい材料が出てきています。ただし、失業者の内訳をよく見ると、【灰色】の「一時解雇」こそ減少しているものの、【紫色】の「恒久的な解雇」は増加傾向にあり、この点に警戒が必要です。
今後も、①新型コロナの打撃が長期化するサービス業を中心に、「一時解雇」の労働者の一部が「恒久的な解雇」に振り替わる可能性があるほか、②その他の幅広い業種でも、企業業績の悪化によるコスト削減の一環で、徐々に雇用や給与が削減される展開が考えられます。