このページでは、中国の主要指標と金融市場を見ています。
中国の景気に関しては、下記3点などを踏まえると、今年の回復基調を期待したいところです。
①まずは「ゼロコロナ」政策の事実上の撤廃が最大の注目点であり、中期的な好材料でしょう。中国政府は昨年終盤から新型コロナウイルスに関する防疫規制の緩和を発表し、景気回復を重視し始めています。短期的には、規制緩和が感染者数の急増や医療体制の逼迫に繋がるリスクがあり、一本調子で経済再開が進む可能性は低いでしょう。とはいえ、中期的には他国が経験してきたように、一時の困難を乗り越えて景気が回復していくことが期待されます。
②次に、不動産問題が最悪期を脱する可能性も意識されています。中国の不動産市場は、バブル抑制のための政府による金融規制の強化や景気悪化のダブルパンチで低迷しましたが、足元では、政府が不動産市場に対する包括的な金融支援策をまとめるなど、支援期待が高まっています。
③最後に、財政・金融刺激策の継続も好材料です。欧米とは対照的に中国では金融緩和が続けられており、2023年3月には預金準備率の引き下げなども実施されました。堅調に推移しているインフラ投資など財政出動と合わせた景気下支え策もあり、中国の経済指標や株式のリターンに先行する傾向がある「クレジット・インパルス」(→GDPに対する新規与信の伸び、【黄緑色】)が既に上昇傾向にある点は好材料です。