このページでは、中国の主要指標と人民元レートを見ています。
【左】では、中国の主要な月次経済指標を見ています。2020年2月は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の縮小の影響で、主要な経済指標が軒並み急速に悪化しました。その後、ロックダウン(都市封鎖)を迅速に実施することで、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むことに成功しました。この結果、欧米に先駆けて経済活動を再開したことにより、経済指標は軒並み回復に転じました。その後、政策の引き締め効果や、新型コロナの感染抑制のための厳しい行動制限などから、景気減速が鮮明となっていた中国ですが、足元では徐々に明るい材料が出てきています。具体的には、①上海市などの都市封鎖解除後の経済再開への期待、②ハイテクや不動産関連企業などに対する規制懸念の後退、③財政・金融刺激策の効果が年後半にかけて発現するとの期待、などが挙げられます。③に関しては、預金準備率の引き下げ、住宅ローンなど中長期の貸出金利の目安となる事実上の政策金利(ローンプライムレートの5年物金利)の追加引き下げ、自動車取得税の減税、インフラ投資の加速などが次々と打ち出されており、今後も必要に応じて追加策が出てくる可能性があります。
また、既に明るい経済指標も出てきており、中国や世界経済の先行指標として注目度が高い【緑色】の「クレジット・インパルス」(→GDPに対する新規与信の伸び)や【オレンジ色】の製造業PMIは、底を打って上昇しています。もちろん、中国景気に下振れリスクがないわけではありません。新型コロナの急激な感染再拡大や外需の鈍化(→力強い米国消費を背景とした中国からの輸出が弱まる)などのリスク要因が完全に払拭されることはないでしょう。これらの悪影響を抑え込み、上記の好材料がいかに他国に波及していくかも、2022年後半の世界景気を見る上で非常に重要なポイントになります。
【右】では、人民元の対ドル・レートと上海総合指数の推移を見ています。