このページでは、米国の強気相場と弱気相場の、騰落率と継続期間を見ています。
比較的長期の株価上昇局面を『強気相場』、下落局面を『弱気相場』と呼びます。弱気相場は一般的には、株価が直近の高値から20%以上下落した局面を指します(当該チャートでは、20%超の下落ではなくとも、景気後退入りした局面を含めています)。【下段の左右のチャート】では、S&P 500の推移を示しています。また、【緑色】で各強気相場の高値を、【オレンジ色】で各弱気相場の安値を示しています。【上段】では、強気相場と弱気相場それぞれの期間における米国株式の騰落率を見ています。【中段】では、強気相場と弱気相場それぞれの期間の長さを見ています。強気相場の期間は、弱気相場の期間よりも長くなる傾向があることなどがわかります。また、これらの傾向は、1980年代以降に顕著になっています。積極的な金融政策や、ITの発達で企業の在庫管理能力が向上していることなどが、息の長い景気拡大に貢献している可能性があります。
それでは、以上の点を踏まえ、「長期投資」の考え方を紹介します。【上段】と【中段】の棒グラフからは、過去は、弱気相場よりも、強気相場のほうが継続期間が長く、弱気相場は、平均で「1年程度」の期間です。下落におののいて売却をしてしまうと、いったん確定した損失が気になったり、反発を取り漏れたりするなどして、再び、資産運用を始めるタイミングを逸してしまう可能性も考えられます。資産運用は長期投資で考え、下落局面が来る場合にも売却を焦らず、資産運用の当初の目的を思い出しましょう。合わせて、過去の多くの場合、平均1年弱しかない景気後退の中で、株価は底値を付けて、反発に転じています。だとすれば、コストを掛けて、売却をしたり、買い付けを行ったりする必要は必ずしもないかもしれません。