このページでは、世界の株式市場のバリュエーションを見ています。
株価が「高い」か「安い」かを判断する方法のひとつは、株価を、企業が生み出す利益との相対感で見ることです。これが株価収益率(PER)で、株価を1株当たりの利益(EPS)で割ることで計算されます。この「利益」には、直近の実績の利益よりも、アナリストによる「予想」利益が頻繁に用いられます。PERが高いと株価は利益対比で高い、PERが低いと株価は利益対比で低いと考えることができ、前者を「割高である」、後者を「割安である」と言います。割高か割安かの目安は、過去と比べてどうか、他国や同業他社に比べてどうか、などで考えます。
【右上】では、2004年以降のレンジを示しており、そうした比較が可能です。通常、アナリストの予想利益の修正は、予想の変更を行うべきかを調査・吟味するために、日々の株価に比べ、遅れがちです。株価が予想利益対比で上がり、PERが上昇して割高に思えても、アナリストが予想利益を遅れて上方修正すれば、PERは下がり、割高感は解消されます。そうした上方修正がなければ、株価は利益対比で妥当な水準まで下落します。逆もまたしかりです。
同じ【右上】のグラフを見ると、米国や新興国、アジア(除く日本)の直近のPERは2004年以降の平均値を上回っており、日本と欧州は平均値を下回っています。