このページでは、主要な債券市場の信用上乗せ金利を見ています。
米国社債と新興国国債の上乗せ金利を見ています。元利金が支払われないリスクは、国債よりも社債のほうが高いと考えられることから、投資家は、国債よりも社債に対して、より高い利回りを要求します。この社債利回りと国債利回りとの差が「上乗せ金利」です。『信用スプレッド』とも呼ばれます。景気後退など、経済全体や企業にストレスが高まる局面では、上乗せ金利は高くなります(=信用スプレッドは拡大します)。反対に景気拡大局面や低金利環境においては、社債に資金が流入して上乗せ金利は低くなります(=信用スプレッドは縮小します)。
2020年4-6月期には、米連邦準備制度理事会(FRB)が、ハイ・イールド債券を含む社債の購入を始め、これに合わせて、上乗せ金利は大幅に縮小しました。その後、米国では2021年11月に量的緩和の縮小(テーパリング)が開始され、2022年3月には利上げも開始されました。また、ロシアによるウクライナ侵攻や原油価格急騰などをうけてスタグフレーション懸念が強まったことでリスクオフとなり、一時的に信用スプレッドが拡大しました。2023年3月には、シリコンバレー銀行の破綻を発端とした一連の金融システム不安を受けて信用スプレッドが拡大する局面がありました。