このページでは、世界の企業景況感、株式のリビジョン・インデックス、投資家心理のサイクルを見ています。
足元の景気加速やグローバル製造業PMIの上昇がずっと続くと考えるべきではないでしょう。景気は必ず循環し、拡大と後退、拡大期の中でも加速と減速を繰り返します。
【左】は、世界の経済成長率とグローバル製造業PMIをみています。【緑の点線】の世界の実質GDP成長率の見通しを見ると、仮に春から夏にかけて、欧米などで、順調に経済が正常化した場合、世界景気の加速は、早ければ今年の秋冬に一服し、来年にかけて緩やかに減速する可能性が示されています。
世界景気の加速期がいずれ減速期に移行する理由としては、例えば次の2点などが挙げられます。今後は、①中国で引き締め策の悪影響が出てくるほか、②欧米でもリベンジ消費や異例の景気刺激策といった一過性の要因が剥落していくため、需要の伸びは鈍化していくでしょう。このような動きを反映し、世界の景気サイクルを表すグローバル製造業PMI【紫色】も、秋冬頃にはピークアウトする(→好不況の分かれ目の50を上回っているが、低下基調になる)可能性があります。
ここで注意すべきなのは、世界のPMIと、世界株式のリビジョン・インデックス【右の水色】、世界の投資家信頼感指数【右のオレンジ色】の連動性です。過去は、PMIの上昇期にアナリストの業績見通しや投資家の楽観ムードが強まる一方、その“行き過ぎた”強気や楽観は、PMIのピークアウトとともに剥がれています。この歴史を踏まえると、PMIが上昇から低下に転換した後は、徐々に株価の上値が重くなる可能性があります。