このページでは、米国長期金利が上昇する局面の米国株式のリターンを、中期的な視点で見ています。
今後も当面は、米10年金利の上昇が続く可能性があるため、金利上昇が資産価格に与える影響について、いま一度整理しておくことが重要でしょう。また、その際は、短期と中期に分けて考えると同時に、金利の上昇ペースも意識したいところです。
図は、S&P 500と米10年金利の月次ベースの推移を示しています。ここで、名目米10年金利が上昇基調の局面【網掛け部分】に注目すると、以前は、その全ての局面で、S&P 500の上昇基調が続いていたことがわかります。たとえば2013年5月のバーナンキ・ショック時を含む網掛け部分をみても、名目10年金利【青色】が大きく上昇し、実質10年金利【紫色】もマイナス圏からプラス圏に転じましたが、米国株式の上昇基調は崩れませんでした。
今後も急速な金利上昇が発生した際は、日次ベースや週次ベースでみて米国株式を含む多くの資産の価格が下落するリスクは残ります。しかし、中期の目線で過去を振り返ると、金利上昇に過度な懸念を抱く必要はないと考えられます。むしろ過去は、(主に景気不安を背景とする)米10年金利の低下局面で、株価が本格的に調整したり、弱気相場入りしたりしています。