このページでは、米国長期金利の推移と米国国債のリターンを見ています。
【左上】は、グローバル製造業PMIと米国10年国債利回りを見ています。今後の米国長期金利の動向を考えてみると、「当面」は上昇するとみています。その背景には、暫くの間は高インフレや大幅利上げが意識されやすいことなどがあります。
一方、「中期では」長期金利が頭打ちとなる可能性もあります。理由としては、①経済再開などの好影響の一巡や、徐々に金融引き締めの悪影響が強まることなどを踏まえれば、既に始まった企業景況感の低下が今後も続く可能性がある、②FRBが中立金利(2.5%)を上回る政策金利を長く維持する(=景気を冷やし続ける)ことが困難と考える場合、長期金利が2.5%を超えて上がる余地も限られる、③年内にインフレ率がピークアウトしていく可能性がある、などが挙げられます。
以上を踏まえれば、「中期では」、インフレ率のピークアウトや景気減速の本格化がもたらす株安・金利低下に備える観点から、信用力が高い債券への分散投資の重要性が増していくと考えます。
【下】は、半年ごとの米国国債と世界株式のリターンを見ていますが、【緑色】の世界株式が下落している局面では、金利上昇(=債券安)と株安が進行した直近の2022年1-6月期を除いて、【青色】の米国国債が上昇する傾向があったことがわかります。
【右上】は、FRBの政策金利の長期見通しと米国10年国債利回りを見ています。【青色】の米長期金利は、【灰色】のFOMCメンバーによる政策金利の長期見通しに上値を抑えられる傾向があったことがわかりますが、足元の米国10年国債利回りは、FOMCメンバーによる政策金利の長期見通しを上回る水準で推移しています。