このページでは、世界株式のセクター別の企業業績と投資家の物色動向を見ています。
【左】は、世界株式のセクター別の予想1株利益(EPS)の2020年と2021年の変化率を見ています。2020年【薄紫色】は、情報技術など一部のセクターが増益を確保する一方、総じて見れば、厳しい減益となる見込みです。一方、2021年【紫色】は、全セクターが増益になることに加え、新型コロナの悪影響が大きい景気敏感セクターほど、昨年の反動もあり大幅増益になる可能性があります。
このような企業業績の「逆転」は、徐々に株価に織り込まれ始めています。【右】で2020年の各資産のパフォーマンスを見ると、米ファイザーの新型コロナワクチンの高い有効性が伝わった11月9日前後で大きく異なります。それまでは、コロナ禍でも業績が堅調な情報技術セクターやグロース株式などが勝ち組でしたが(→【灰色】)、ワクチン報道後は2021年以降の“脱コロナ”が意識され、エネルギーや金融、バリュー、高配当など、コロナ禍で大きく売られていた株式ほど高い上昇率となっています(→【オレンジ色】)。
これからワクチンの普及や経済活動の正常化が順調に進めば、「景気敏感株の躍進」や「出遅れ株の逆襲」がもう一段進むと見ています。
【補足】 企業業績や株価の「水準」と「変化率」の区別
【左】で注目しているのは、利益の「変化率」です。一方「水準」の見通しは、例えばITやヘルスケアセクターの2021年の「利益水準」はコロナ前の2019年の水準を上回りますが、エネルギーセクターなどの2021年の「利益水準」は2019年を下回る点に注意が必要です。但し、投資家が株価の「今後の変化」を考える上で重視するのは、利益の「水準」よりも「変化」であると考えられます。
注:上記は、個別銘柄の推奨を目的としたものではありません。また、当該銘柄の株価の上昇または下落を示唆するものでもありません。