このページでは、世界の景気サイクルと米国の利上げと株式のバリュエーションを見ています。
【左】は、世界の景気サイクルと日米株式の予想株価収益率(PER)を見ています。予想PERは、景気減速期に低下する傾向があります。【青線】は「グローバル製造業PMIが50以上で好況だが低下する局面」をみています。過去7回のうち日本株式は7回、米国株式は6回低下基調です。そもそも予想PERは株価/予想EPSで算出され、割高・割安を測る指標として活用されます。つまり、これは「予想EPSの何倍の株価なら買えるか」という「投資家の強気度・確信度」を表す指標であるともいえます。通常は、景気が減速すると業績見通しの強気度・確信度が揺らぎやすくなるため、予想PERも低下しやすくなると考えられます。
【右】は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策と日米株式の予想株価収益率(PER)を見ています。予想PERは米国の利上げ期に低下する傾向があります。右図の【青線】は米国の利上げ期をみていますが、直近4回の利上げ期のうち、日本株式は3回、米国株式は4回PERが低下基調でした。これは、金利が上昇すると、株式の相対的な魅力が低下しやすいことなどが表れていると考えられます。
以上を踏まえると、世界景気が緩やかながらも減速し、FRBが利上げを開始することが見込まれる今年は、予想PERの低下圧力が株価の下押し要因となる可能性があるでしょう。