このページでは、景気の3年サイクルを見ています。
金融政策の転換が信用力の高い債券の追い風になり得る一方で、株式については景気懸念が燻る限り、なかなか前向きになれません。とはいえ、過去の経験則や2022年初と足元の景気サイクルの立ち位置の違いを考えれば、「今すぐ」とは言えないまでも、「2023年内には」景気サイクルの反転が期待できる可能性があります。
まず【紫色の線】をみると、グローバル製造業購買担当者景気指数(PMI、3ヵ月移動平均値)でみた世界景気のサイクルは下降基調にありましたが、足元では上昇に転じています。景気の下降サイクルが終了し、今後もPMIの上昇が継続するかどうかは現時点では不透明感が高いものの、景気の下降サイクルについては【図の表】の通り、過去は平均すると約24ヵ月(2年)で終了していたことがわかります。
2022年初の時点では、景気の下降サイクル開始から6ヵ月しか経っておらず、まだまだ下降は始まったばかりという立ち位置でしたが、2023年3月末時点では既に21ヵ月経過しており、平均の24ヵ月まであと3ヵ月というところまできているため、景気の下降サイクルは既に後半戦に入っていると捉えることが可能でしょう。仮に2023年末まで下降した場合は30ヵ月に及ぶことになりますが、【図の表】で30ヵ月を超えたのはリーマン・ショックを経験した下降サイクルの34ヵ月に限られます。仮に米国の景気後退が来るとしても、マイルドであれば、そこまで景気の下降サイクルが長引かない可能性があると考えます。