このページでは、世界の企業業績の見通しと投資家の物色動向を見ています。
【左】は、世界株式のセクター別の予想1株利益(EPS)の2020年と2021年の変化率を見ています。2020年【薄紫色】は、情報技術など一部のセクターが増益を確保する一方、総じて見れば、厳しい減益となりました。一方、2021年【紫色】は、全セクターが増益になることに加え、新型コロナの悪影響が大きい景気敏感セクターほど、昨年の反動もあり大幅増益になる可能性があります。
【右】で2021年1-3月期の各資産のパフォーマンスをみると、昨年と大きく異なることがわかります。
上位には、エネルギーや金融セクター、日本、バリュー株式など、昨年のパフォーマンスが相対的に冴えなかった資産が並びます。一方で、下位には金や米国国債などの安全資産に加え、グロース株式など昨年大幅に上昇した資産が並んでいます。
背景には、経済や企業業績、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策などに対する投資家の見方が大きく変わったことがあると考えます。昨年は新型コロナウイルス感染拡大への懸念が強い中、金利低下の恩恵が大きい資産や、“Withコロナ”の下で企業業績がしっかりしていた株式に投資マネーが集中しました。一方、今年は新型コロナワクチンの普及に伴う“脱コロナ”が意識され、金利も上昇し、それらの恩恵が大きい資産にマネーが移りました。