このページでは、ITバブルのピークから米国株式に積み立て投資をした場合を見ています。
前のページでまとめた通り、①株価の割高感は「すぐに」修正されるとは限らず、②ハイテク株高を終わらせる可能性がある、インフレ・利上げ・利上げに伴う景況感のピークアウト・厳しい規制強化などの材料が足元で揃っているわけではありません。
以上を踏まえれば、現時点の割高感を理由に、今すぐ投資を止める必要性は高くないと考えることも可能です。しかし、いつかは割高感が修正される恐れがある中、「そのタイミングを正確に当てることは誰にもできない」と考える投資家は、今のうちから何らかの対策をとっておきたいと考えるかもしれません。
そこで、割高懸念を和らげつつ投資を継続する上で活用したいのが、積み立て投資です。【右】で、ITバブルのピークの2000年3月末からの積み立て投資の試算を見ると、時間分散で「高値掴み」のリスクを軽減することで、バブル崩壊後の株価低迷の影響を抑えながら資産形成ができた可能性を示唆しています。
【左】では、株価を形成する利益と株価収益率(PER)を見ています。ITバブル期と現在を比較しても、PERの右肩上がりは想定できませんが、利益は右肩上がりで推移しています。PERの高低のタイミングを取れない投資家は、利益の長期成長に期待しつつ、積み立てで高値掴みのリスクを抑制しながら投資をするのが一案でしょう。