今すぐチェック!足元の運用状況 2021年11月のポイント
11月のポイント
11月の騰落率は年1回決算型、毎月決算型ともに0.8%の下落となりました(図①)。過去1年間の年1回決算型の騰落率は+7.8%(図②)、設定来で+23.8%(図③)、それを年率に換算すると3.0%1でした。また、11月末のポートフォリオの平均利回りは4.2%(図④)と、前月からわずかに上昇しました。
11月の金融市場は前半堅調な展開だったものの、月末にかけて、新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株への懸念が高まり、金融市場に動揺が走りました。11月26日には、米国株式市場が今年最大の下落幅を記録し、市場の変動性が一気に高まりました。しかし、その後12月に入り、オミクロン株への懸念が一旦後退し、市場は落ち着きを取り戻しました。オミクロン株については従来型よりも毒性が低く、重症化しにくい可能性があるとの見方が広がっています。また、ワクチンも一定程度、有効という見解が多く、さらには治療薬も有効であるとの報道が出たことで、市場に安心感を与えたと考えられます。
下落局面で意識したい投資行動とは
さて、11月26日に米国株が大幅な下落を見せた時のことを振り返ってみましょう。週明けの日本株も急落し、2020年3月のコロナ・ショックを思い出した方も多いのではないかと思います。当然、運用チームとしても、これが下落局面の始まりなのか、そうであればこれまで維持してきた「景気は拡大基調なのでリスク資産を選好」という考え方を変えるべきなのか、検討しました。結果、「オミクロン株の広がりに注意は必要だが、景気は拡大基調という考えを変える必要はない」という結論に至りました(図⑤)。
振り返ってみると、2020年3月のコロナ・ショックによる下落局面も、それ以前に起こった「〇〇ショック」という出来事の時も、一時的に世界の金融市場が下落してリスク資産を売却する動きが広がりました。投資家にとっては、保有資産が値下がりしたり、最悪の場合、含み損となったこともあるでしょう。また投資を始めようとしていた人は、市場が急落する様子を見て、投資を躊躇したかもしれません。しかし、思い出してほしいのは、多くの資産がコロナ・ショック前の高値を超えてきていることです。同じことが、リーマン・ショックの時も、チャイナ・ショックの時も多くの資産で起こりました。このことから、過去の値動きを見る限り、市場が急落する局面では、逆に買い出動が望ましい投資行動だったのではないかと思えてきます。
ベスト・インカムは、設定来の数々の下落局面において、インカム資産への投資を継続することで、基準価額を回復させてきました。実際、今回の下落局面を見ても、基準価額は、11月末から12月第一週にかけて下落した後、上昇に転じ、本コラム執筆時点2では、11月上旬に記録した設定来の最高値をうかがう動きです。
ベスト・インカムは15もの様々な資産に分散投資しているため(図⑥)、値動きが比較的小さく、結果として「投資を始めるきっかけを見つけるのが難しい」、「いつ投資を始めればよいのかわからない」、というお声をいただくことがあります。ベスト・インカムはあらゆる市場環境に機動的に対応するため、投資のタイミングは問いません。しかし、あえてタイミングを考慮するのであれば、今後、市場が急落するような局面は、投資を開始する、あるいは追加投資する良いタイミングかもしれない、と考えてみてはいかがでしょうか。