今すぐチェック!足元の運用状況 2020年9月のポイント
9月のポイント
9月の騰落率は年1回決算型、毎月決算型ともに-1.4%と、小幅な下落となりました(図①)。3月に大幅下落を経験し、その後5か月連続で上昇してきましたが、いったん小休止したと言えるでしょう。各国の財政政策の不確実性や欧州などで新型コロナウイルスの感染者数が増加したことなどが市場の重石となり、株式やリート、新興国債券など多くの資産が下落し、基準価額を押し下げました。
ベスト・インカムの新しい資産、「カバードコール」とは?
9月末のポートフォリオでチェックすべき点は、新しい資産として「カバードコール」が追加されたことです。まずは、「カバードコール」がどのような資産なのか確認しましょう。説明は、月報2ページ目中段に記載されています。
<月報p2抜粋>
「カバードコール」とは、株式などの原資産を保有しつつ、コールオプション(あらかじめ決められた価格で買う権利)を売る戦略をいいます。保有資産の一定水準以上の値上がり益を放棄する対価としてコールオプションのプレミアム収入を受け取ることで、保有資産の配当収入以上のインカム*の獲得が期待されます。
つまり、「コールオプションを売る」というデリバティブを使った戦略であること、目的は、売ったオプションのプレミアム収入によるインカム獲得を期待しての投資であることがわかります。
これは、世界中の資産からできる限りリスク対比で魅力的なインカムの獲得を目指す、というベスト・インカムの考え方に合致しています。この戦略は、「保有資産の一定水準以上の値上がり益を放棄する」ため、保有資産が大きく値上がりした場合、その恩恵を完全には受けることはできません。しかし、コールオプションのプレミアム収入をインカムとして受け取ることができる上に、仮にその保有資産が下落した場合は、すでに受け取ったプレミアム収入分がクッションの役割を果たし、下落を抑制することができます。
たとえば、ある株式を保有するケースを考えましょう。その株式の価格が10%上昇すれば10%分のキャピタルゲインを得ることができます。一方で、10%下落した場合は、保有資産が10%目減りします。「カバードコール」戦略とは、たとえば、この株式の上昇は8%分しか受け取ることができない、つまり残る2%分の上昇は放棄する代わりに、あらかじめその約束の対価として5%分をインカムの形で受け取っておく、という考え方です。
経済効果としては、当該株式の価格が8%を超えて大きく上昇した場合は8%しか受け取ることができないため、カバードコールを使わずに株式を保有していた場合と比較すると不利になりますが、逆に大きく下落した場合には、あらかじめ受け取っていた5%分がクッションの役割を果たし、値下がりを抑えることができます**。
今回は独立した資産として「カバードコール」をご紹介しましたが、このようなデリバティブ(金融派生商品)の考え方は資産運用にプラスアルファの要素として重要であると考えます。ベスト・インカムでは設定来で初めて「カバードコール」という戦略が登場しましたが、個別の株式や債券の分析にもデリバティブの考え方は重要ですし、ベスト・インカムを運用するプロフェッショナル達は、デリバティブを使った戦略も実際に運用しています。
このように、ベスト・インカムでは、伝統的な方法からデリバティブまで、リスク対比でより高水準なインカムを獲得するために幅広い選択肢を考慮しながら運用を続けています。

*インカムは債券の利息や株式の配当など一定期間毎に受け取れる収益を指します。
** この数値は例示目的(イメージ)であり、実際のデータではなく、将来の成果を保証するものではありません。
「JPMベスト・インカム(年1回決算型)/(毎月決算型)」を総称して「JPMベスト・インカム」または「ベスト・インカム」と言います。投資先ファンドとは「JPモルガン・インベストメント・ファンズ-グローバル・インカム・ファンド」の「Iクラス(円建て、円ヘッジ)」(「グローバルインカムファンド」と言います。)を指します。「ベスト・インカムの投資先ファンドの運用戦略」を「ベスト・インカムの運用戦略」と呼ぶ場合があります。ベスト・インカムは投資先ファンドを通じて実質的な運用を行います。上記の運用に関する説明は投資先ファンドにおけるものです。ただし、ファンドの騰落率に関しては、ベスト・インカムの騰落率のデータです。当ファンドの投資先ファンドのポートフォリオを「ベスト・インカムのポートフォリオ」と呼ぶ場合があります。本サイトに記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。