今すぐチェック!足元の運用状況 2019年10月のポイント
10月のポイント
2019年10月の騰落率は0.2%(図①)とわずかながら上昇しました。2019年は、2018年12月の下落を取り返すかたちで1月に大きく反発してスタートし、10月末までの年初来の上昇率は10.2%となりました。基準価額も設定来最高値水準で推移しています。
2019年の金融市場を動かしてきた2つの要因は主に、米中貿易摩擦と主要中央銀行の金融政策でしたが、10月は米中貿易協議に進展が見られたため、おおむね堅調な展開でした。まだ楽観視はできませんが、米大統領選挙が近づいてくるにつれて、再選を狙うトランプ大統領としては、経済成長を維持し、株価を上昇基調に維持したいという意向が働くと考えられますので、世界経済を大きく混乱させる発言などは少なくなってくるのかもしれません。
精緻な資産配分で景気後退に備える
さて、運用チームの景気に対する見方は、「景気サイクルの成熟期にある」です。景気後退となるリスクは十分認識しつつも、実際に景気後退が来るまではできるだけ上昇相場についていく、という難しい舵取りが求められています。そのための方法のひとつが、リスク資産の中でも、より景気変動の影響を受けにくい資産を選ぶということです。
景気後退に備えた資産配分については「8月のポイント」でもいくつか触れました。加えて、今月の月報でも、「景気後退への備え」として、「リスク資産である米国ハイ・イールド債券に投資しつつも、より格付けが高い銘柄に資産を移す」とあります(図②)。
ハイ・イールド債券とは、投資適格未満、つまりBB格以下の格付けの債券を指します。しかし、その中でも、よりリスクの高いCCC格から、比較的リスクが低いBB格まで様々な銘柄が存在します。実際に、ベスト・インカムの投資先ファンドでも、CCC格のハイ・イールド債券に投資しています(図③)。しかしながら、市場見通しに応じて、10月末時点での運用方針として、ハイ・イールド債券の中でも格付けが高いBB格やB格への比率を引き上げるとされています。
このように、ハイ・イールド債券というひとつの資産クラスだけをとってみても、単に利回りの高さやリスクの高さなどの要素にとどまることなく、より精緻に資産クラスを吟味することによって、その時の市場環境に合わせた最適な資産配分を追求しています。
低金利環境が続き、同時に先行きの不透明感も高いですが、このように、中長期の目線で投資を行うことでプラスのリターンを獲得できる手段がある、と私たちは考えます。
景気後退のリスクを考えつつも、将来の資産形成のためには運用を「継続する」ことが大切です。そのためには、市場の変化に合わせたきめ細やかな運用を行うことが必要です。ベスト・インカムにおいては、皆さまの長期的な資産運用の強い味方となれるよう、引き続き、細部まで目の行き届いた運用を行ってまいります。